第2話

転生を信じるか、答えはNOだ。

『来世で逢おう』なんて言ったくせに、誰もがそう思うに違いない。


実際、もしできたとして会えるかどうかは別問題で、そもそも記憶があるかどうかすら分からないんだから。元々“来世”なんてものにさほど期待していない。


え?なんで言ったのか?

怖さを紛らわせたかったんだと思う。どんな思いがあれどやっぱり死ぬのは怖い。

そんなことを思いながらも、出来て、かつ記憶があるなら存分に利用させてもらうけど。


生まれた時から記憶があって、すぐにパートナーはみつかって、

2人で幸せハッピーエンド。

なんて楽に終わってくれるならそれがもちろんいいんだけど

そうもいかないのが現実で。

転生したはいいものの記憶なしじゃ話にならない。

徐々に思い出される記憶に混乱する日々を過ごし、迎えた16歳の誕生日。

この頃には記憶が戻り、アイカ探しを始めていた。

始めたとはいえ、どこにいるのか、何歳なのか、名前は…、その他もろもろ個人情報が皆無すぎて全く見つかる気がしない。

「はぁ… 心折れそう…、」


「え〜なにそれ〜笑」


「え…、?」


いや〜 奇跡ってあるんですね。


聞きおぽえのある やや高めの可愛らしくて綺麗な声が聞こえた。


あぁ やっとだ 。 やっと私たち幸せになれるね。

アイカ 逢いたかった。ずっとずっと。

希望に溢れた声で 精一杯名前を呼んだ。


「アイカ...ッ !」












「...誰ですか 、?」








分かってる。

分かってるつもり。

記憶があるなんて限らない。

転生なんてものに 期待なんて 、







「アイカ、知り合い ?」

「ううん、知らない、」








アイカの隣は私じゃない。

隣にいるのは知らない男。

しっかり繋がれた恋人繋ぎと首元に光るペアアクセ。

視界から入る情報全てが私の心を締め付ける。


期待しないって思ってたのに。

こんなはずじゃなかったのに。








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キョウキ。 @_una

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