第81話

拾うこともせず「告白!?告白って何!?百合が!?」と慌てふためいていて、その隣でお母さんが「あらあら」と微笑んでいる。


ていうかお母さんより隆二の方が私の気持ちとか私と斉藤さんの関係とか見てたはずなのに、お母さんの方が落ち着いてるって何。


これが人生三十年のキャリアの違いか。



「で、お付き合いすることになりました」

「しかも告白成功してんのかよ!」

「隆二いちいちうるさい」



お母さんはニコニコ拍手をしながら「おめでとう」と祝福してくれる。


隆二は「まじかよ!……まじか!」と叫びながら落ちたお箸を洗いに行って、なんだかんだ嬉しそう。



「百合百合」

「ん?」

「キスは?もう奪ってきた?」



隆二がお箸を洗いに行って食卓に二人になったところで、お母さんが相変わらず笑顔を崩さずに言ってきたもんだから、危うく私も箸を落としかけた。



「なわけないでしょ!?」

「え、じゃあもしかしてその先を?」

「してないってば!」

「なーんだ……」



なーんだ……って……。

親がなんてこと言ってんだ……。



「それより問題はまーくんよねえ」



タイミングよく隆二が洗った箸を持って戻ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る