第22話

「……あんじゃねーか!」

「……あったね」



私が何か言うより前に二人がリアクションを示した。


そうかそうかーここかー。そうだそんなドラマ見たなー。



「すみません斎藤さん。探してもらったのにこんなしょうもないオチで」

「いえいえ。見つかって良かったですね」



鍵がない私を家に上げてくれた上に。

その後も鍵がどこに落ちてあるのか気にかけてくれていた上に。

一階から四階まで一気に走らされた。にもかかわらず。


斉藤さんやっぱり今日も笑ってる。



「おい百合、俺にありがとうだろ」



斉藤さん、眩しい。



「これから斎藤さんが出てる雑誌買いますね。……何に出てるか知らないけど」

「ですよね」



斉藤さんが引っ越してきた日、チャラチャラした人だと思った偏見たっぷりの私を、どうかお許しください。



「なあ百合、俺にありがとう、は?」

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