第22話
「……あんじゃねーか!」
「……あったね」
私が何か言うより前に二人がリアクションを示した。
そうかそうかーここかー。そうだそんなドラマ見たなー。
「すみません斎藤さん。探してもらったのにこんなしょうもないオチで」
「いえいえ。見つかって良かったですね」
鍵がない私を家に上げてくれた上に。
その後も鍵がどこに落ちてあるのか気にかけてくれていた上に。
一階から四階まで一気に走らされた。にもかかわらず。
斉藤さんやっぱり今日も笑ってる。
「おい百合、俺にありがとうだろ」
斉藤さん、眩しい。
「これから斎藤さんが出てる雑誌買いますね。……何に出てるか知らないけど」
「ですよね」
斉藤さんが引っ越してきた日、チャラチャラした人だと思った偏見たっぷりの私を、どうかお許しください。
「なあ百合、俺にありがとう、は?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます