『うどんたろう　と　そばたろう』

　むかしむかし、あるところに、やまあしん、と、びーちゃんという、おじいさんとおば(あ)さんがすんでいました。

　あるひ、やまあしんは、スーパーにお買い物、びーちゃんは、町におしごとに出掛けました。

　やまあしんが、川沿いを歩いていると、上流から、どんぶりこ、どんぶりこ、と、おおきなどんぶりが流れてきました。

　『やややややややあ。なんとお。』

　やまあしんは、たまたま川当番で鍵を持っていたので、フェンスの鍵を開けて、小さなコンクリの階段を降り、ふたつのどんぶりを拾い上げました。

　ひとつのどんぶりには、見目麗しいうどんが、もうひとつのどんぶりには、黒光りするそばが入っておりました。

　『あ、ありがたや！』

　天下の失策もあったのか、物価のあまりの高騰で、すっかり食べかねていた、やまあしんは、手を合わせて感謝したのです。

　ふたりは、その晩、ありがたく頂きました。

　　😚😚😚😚😚😚😚😚😚😚😚😚😚😚

　　じりりりりりりん☎️

おやじさん

　『あい、まいど、お手軽うどんそばの、てんりゅうし。』

お客さん

　『おやじさん。まだ、うどんドロンこないよ！』

おやじさん

　『あら！　大分前に、うどんたろうも、そばたろうも、流したんですがね。』

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　ふたりは、そのあと、逮捕されて、ひどく叱られましたとさ。