働きたくない俺はお金持ちのひもを目指すーそしたらヤンデレに好かれまくる。こんなはずじゃなかったんだが

長濱こうき(元作家を目指す浪人生)

第1話

俺は社畜の両親を持つ普通の高校生だ。だが俺は両親を見て、社畜だけにはなりたくないと思い、ひもになると誓った。そのために男を磨いてきた。料理もできるようにしたし、身嗜みにも気を遣っているし、周りからは紳士とも呼ばれている。まぁさすがに本物のイケメンにはなれなかったが。それは生まれ持ったものだから仕方がない。


そして俺は勉強を頑張り、お金持ちが多く進学校である清閑学園に入学することができた。そう将来を約束された者達が集う場所である。俺の婚活を始めて、将来の結婚相手を探すのに最適な場所である。


そして入学式を終えて、俺は教室に入る。運命のとなりはー


「あ、元就くん私と席隣だねー。幼馴染みだし、これってもう運命じゃない?私こそ元就くんの隣に相応しいね。お金だって、元就くんがひもになりたいって言っていたから、株である程度稼いだしね。だから結婚しよ?」


なんでこんなにいっつも一葉と席近かったりするんだ。確かに俺はお金が好きだ。そして一葉は美少女だ。端から見たら優良物件だろう。でもなこいつはー


「ねぇそのキーホルダーなに?なんでアイドルなんかをまだ推してるの?私みたいな美少女と一緒にいるのに。そんなにその女が好きなの?かもだと思われてるだけだよ。似非恋愛だよ。本物なんかじゃないよ。私の思いは本物だよ。だからそんな女なんていらないよね。元就くんは私だけみてればいいんだよ。今すぐにでも家にあるグッツを燃やしたいよ」


「落ち着け、俺はるんのことをアイドルとしか見てないぞ?それ以外の気持ちはない。だが俺は普通のやつと付き合いたいんだよ。せめてその独占欲をどうにかしてくれ」


「アイドルとしか見てないって本当?後私のこの欲は女子として普通だよ。好きな男の子に誰も見てほしくないって思うことは普通だと思うよ。普通だから、結婚できるよね?もしかして元就くん好きな人がいるの?ソレナラソノオンナヲケサナキャ」


ヤンデレモードに入り、ハイライトオフの目になり、一葉はぶつぶつとなにかを言い始めた。こうなると、長いから、俺はため息を吐いた後、席に座った。この流れで一葉の何が問題か分かっただろう。ヤンデレなのだ。だから普通のお金持ちと付き合いたい俺は付き合っていない。俺は自由をこよなく愛する男だからだ。何にも束縛されたくない。そして一葉以外にも数名ヤンデレがいるのだ。まぁ一葉以外は依存というのに近いから、愛しているか分からないが。


それから先生が入ってきて、ホームルームを終わらせて、入学式のために体育館に移動する。その間一葉は美少女だから、いろんな男に話しかけられていたが、全部無視をしていた。というか自分の世界に入っていて、全く話しかけられてることに気づいてなかったっていうのが正解だ。


それから入学式が終わり、教室に戻ってくると、一葉が話しかけてきた。


「ねぇー誰とも帰る約束してないよね?私以外の女と仲良くなってないよね?なっているなら、元就くんは私のものだと思わせなきゃいけないね」


「この数十分で仲良くなれるはずないだろ。それになっていたら、間違いなく一葉が邪魔をするだろ」


前結構いい感じになった女子がいたが、一葉が脅迫をして、その女子とは疎遠になった。俺に彼女ってできるのだろうか?普通の女子に好かれる日が来るのだろうか?来たとしても一葉の圧を越えられるのだろうか。


「だってどいつもこいつも元就くんの人となりを見ないで、見た目だけで近寄ってきて、元就くんの家柄目当ての屑ばっかしなんだもん」


「俺はそもそも家柄で近づいてくるやつとは、付き合わないがな。俺がひもになりたいのに、その逆をしようとしてるやつなんかと付き合うはずがない」


俺は両親は社畜だが、祖父は大物政治家で、それなりに家柄はいい。だからそれで近づいてくる女子も多い。資産目当てのな。だが俺の親は長男じゃないから、資産はたいして継げない。つまりそこら辺のサラリーマンと変わらないってことだ。


「それもそっか、お金持ちと付き合いたいのに、お金目当ての人には惹かれないよね」


「そうだ、俺はひもになりたいが、愛してくれるっていうのも条件のひとつだしな」


「それなら私合致してるよね?もう付き合うしかないんじゃない?」


「せめて普通の愛を向けてくれ」


「この独占欲はそれだけ愛してるってことの裏返しだよ」


いやヤンデレは愛が重いだけだろ。それが好きな人もいるだろうが。少なくとも俺は自由でいたいから、普通のやつがいいが。


そんなことを話していると、チャイムが鳴ったので、俺たちはそれぞれの席に座った。ずっと一葉が誰かに俺が見惚れてないように凝視してたみたいだが。クラスに一葉を越える美少女はいない。そもそも一葉の美少女度はアイドルレベルだから、そこら辺にいるはずないんだが。


それから放課後になったが、クラスのイケメンが自己紹介をしないかとなって、自己紹介をすることになった。俺は早く甘いものを食べたかったから、帰りたかったんだがな。だがここで帰ると、クラスメイトに悪い印象を与えかねないので、クラスにとどまった。そして自己紹介が始まる。そして俺の順番が回ってくる。ここでアピールをして、女子からの印象をよくするチャンスだ。俺は立ち上がり、口を開く。










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