最終話:いつものパンツに、いつもの平和。
街に立ち込めた瘴気と
奇太郎とのエッチはもっとロマンチックな形でしたかったのに、どさくさに
紛れてしなきゃいけなかったことが気に入らないってふて腐れた。
奇太郎はチャオマオを宥めるのに閉口していた。
「もうさ、やっちゃったんだから、今更文句言ったってしょうがにだろ?
機嫌直せよ」
「せやけど・・・今更やないもん・・・」
「あのエッチなかったことにせ〜へんか奇太郎」
「なかったことになんかできねえだろ・・・俺なりに頑張ったし苦労したんだ
からさ」
「奇太郎、へたくそやったしな」
「へたくそって言うな・・・俺だけじゃなくて誰でも最初はそうなんだよ」
「最初のエッチはうちの記憶から消す」
「そんなことできるのか?・・・あれだって俺たちの大切な思い出になるんだぞ」
「何年か先になって、あんなことあったね〜って肩を寄せて笑える時が来るって」
「まさかもうエッチしないって言うなよ」
「それは言わへんけど・・・エッチしてない時ならまだしも・・・」
「最初があるから、次に繋がっていくんだって・・・」
「どんな経験も無駄ってことないんだからさ・・・俺たちのこともっと大切に
しなきゃ」
「そうやな・・・そうや・・・大事なことなんや・・・悪かったな・・・」
「分かりゃいいんだよ・・・どうだ?今晩あたり」
「今朝したばっかやんけ」
「朝からハメっぱなしで飯食って学校へ行ってってやってギネスにチャレンジ
しねえか?」
「アホなこと思いつくな、奇太郎」
エッチの話で盛り上がってるくらいだから奇太郎とチャオマオとそして長屋に
平和が戻って来ていた。
もしかしたら、のらりひょんによって人間と妖怪が仲違いするような事態に
なっていたかもしれないのに・・・。
次の朝、チャオマオは奇太郎の家の前にいた。
「奇太郎・・・学校いこか?」
「ほ〜い・・・ちょっと待て、まだ飯食ってるから」
「早よせんと遅れちゃうで・・・」
「待て待てって・・・慌てるなんとかは貰いが少ないって言うぞ」
「バカのひとつ覚えみたいに・・・エッチさせないぞ」
「待て待て・・・あと五分」
「二分で・・・来い」
「おう、待たせたな・・・ほんじゃ行くか・・・チャオマオ一発やって
学校行くか?」
「自分のチンコでひとりでやっとれ、スケベど変態」
セーラー服のチャオマオは、やっぱり可愛い。
尻尾が上に上がるたびにスカートから穴開きパンツが見える・・・やりたい。
俺たちはバス登校。
チャオマオのパンツを見てる俺の他にバスを待ってる男どもが、相変わらず
俺の横に並んで、みんなチャオマオのパンツを見てるじゃないかよ・・・まあ、
みんな女子高生が好きでスケベなんだよな・・・男がスケベでいる以上性犯罪は
なくならないし、人類は絶滅しないんだろう。
まあ、チャオマオもいつものことって涼しい顔をしている。
人間の女子みたいに「見たでしょ!!」って目くじら立てたりしない。
逆に俺の方がチャオマオの真後ろにくっついてパンツを見せないよう
ガードしてたりして・・・見せるかよ・・・減ったしないだろ?
奇太郎は言った。
「俺にしかパンツ見せるな」
「尻尾があるから無理やな・・・猫の尻尾って、いつかて上むいてんねん」
「うち
「それは頭だろ?・・・尻尾関係ないだろ・・・ぜったいわざとだよな
尻尾あげてるの・・・」
「エロフェロンモン出しまくってるんじゃないのか?・・・なんかお前・・・
桃みたいな匂いがするぞ」
「奇太郎、エロい気分になってる?」
「毎日、エロい彼女が横にいるからな・・・そりゃ普通にエロくなるよな」
「うちのフェロモン嗅ぎすぎたら、うちからは逃れられへんで」
「猫ばあちゃんみたいなこと言ってんじゃねえよ」
「あのさ・・・ばあちゃんがエイプリルフールに奇太郎に言うたことは
半分は本当のことや・・・」
「え?全部、ウソだって言ったじゃないかよ」
「奇太郎、うちとエッチしたさかい寿命一年分減っとるんやで・・・」
「まじで?」
「まじまじ・・・せやから、これからうちとエッチするたび寿命減ってくからな」
「そか・・・じゃ〜約だけど70年くらいまでは、ずっとエッチできるわけか?」
「なら本望じゃねえか、つうかそのうちエッチも飽きてやらなくなるだろ?」
「うちは死ぬまで飽きたりせえへんで」
「おまえ、不老不死だろ・・・死なねえじゃねえかよ」
さて奇太郎とチャオマオが瘴気と戦ってから一週間ほどしてヨコチンが退院
してきた。
チャオマオが心配してたようにヨコチンの顔にはチャオマオが引っ掻いた傷跡が
斜めに残っていた。
「お〜ヨコチン・・・その傷跡ハクがついたな」
「見舞いに来てくれたんだってな・・・悪かったな」
「気にするな・・・それよりもうチャオマオにはもうちょっかい出すなよ」
「次は頭、スライスされるぞ」
「分かった・・・」
ってヨコチンは納得したのかと思った。
けどヨコチンはチャオマオのことが諦めきれなくて、またチャオマオに告っち
まったんだな。
フったのに懲りないヨコチンに激怒したチャオマオ。
ヨコチンは案の定チャオマオに爪でひっかかれて顔から血を吹いて病院に運ばれて
また入院した。
懲りないヤツだよ・・・ヨコチンは・・・最初は右から左下に向かってひかかれた
んだけど、今度は左上から右下に、ひかかれた。
みごとにペケの字に傷が残ったんだ。
よくヨコチンの親が文句行って来ないのか不思議だよ。
「もう、しつこい男はキラいや・・・うちには奇太郎がおるっちゅうのに・・・
アホヨコチンが・・・二度と病院から帰って来んでえんや!!」
「・・・けどまた顔の傷跡残るかもしれへんな」
「今度はバツの形に残るな・・・Xってめっちゃヘビメタみたいでカッコいいん
じゃねえの?」
「あれだとヤバい連中も寄って来ねえだろ?・・・」
「モノは考えようやね」
おしまい。
風になびく妖怪猫の穴あきパンツ。 猫の尻尾 @amanotenshi
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