第2話:エッチしたら寿命が減る。
猫ばあちゃんは西王母の大事な蟠桃なんか食ってしまったからには、そのまま天界
にはいられないと思って下界に降りてきたと・・・。
その猫ばあちゃんのDNAを受け継いでるチャオマオも不老不死、不死身ってことらしい・・・死なないんだからもう怖いものなしの猫の妖怪。
でも俺が惚れちゃったんだからしょうがない・・・いずれ俺が先に死んじゃうだけ
の話だし・・・逆にひとり残されるよりはいい。
で、ここからが肝心な話なんだけど、チャオマオと猫ばあちゃんが俺んちの長屋に
引っ越して来て、しばらくしてのことだった。
俺はチャオマオの猫ばあちゃんから話があるで、ちょっと来いって長屋の裏に呼ば
れた。
「奇太郎・・・ちょっとこっちへ・・・」
「え?なんすか?」
「奇太郎・・・
「それに長屋の孫じゃし・・・炒猫とめっちゃ距離が近い・・・気をつけんとな」
「え?なにが気をつけないといけないんすか?」
「これは老婆心で言うんじゃが・・・炒猫は奇太郎、おまえに惚れとる」
「まあ、日頃のチャオマオの俺に対する態度見てたら分かるけど・・・」
「相思相愛ってとこかな」
「炒猫がおまえに興味がないなら別に問題ないんじゃが、惚れてもうたもんはしか
たない・・・」
「じゃから言うんじゃが炒猫は発情期になると好きになった男にエロいフェロモン
を出して誘惑するんじゃ・・・じゃが、おまえは炒猫に誘惑されても相手にする
なよ・・・もし、おまえが炒猫とエッチしたら、おまえの寿命が減るからな」
「エッチした分、奇異太郎の寿命はどんどん減って行くから自重するように」
「なんでそんなことになるんだよ」
「炒猫は男の寿命を吸い取って生きてるんじゃ・・・じゃからエッチしたら
奇太郎の寿命が炒猫の体内に流れていく・・・じゃからおまえの寿命が減る
っちゅうシステムになっとるんじゃ」
「そうなんだ・・・じゃ〜俺はチャオマオとエッチしなきゃいいんじゃん」
「まあ、それが懸命と思うが・・・じゃが炒猫の出すエロフェロモンに耐えられた
男はまずおらんで・・・まあ、絶対エッチするなとは言わん、したかったらしても
ええが死ぬまでエッチはするなよ」
「ワシは奇太郎が気に入っとるから将来の炒猫の婿は奇太郎でもええと
思っとる」
「え〜そうなの?婿って・・・そんなところまで話が進んでるんだ」
「なんせ炒猫は奇太郎に惚れとるからの」
「だけどチャオマオ今までだって発情期に何度もなって来たでしょうが?」
「そうじゃな・・・じゃから今まで炒猫のエロフェロモンを吸った男はみんな
この世にはおらん・・・我慢できずに炒猫とエッチして寿命を吸い尽くされての」
「うそ〜それまじで?・・・俺で何人目?」
「奇太郎で10人目かのう」
「俺以外の男はみんな寿命使い切ってあの世に行ったのか?」
「なんだよ、俺ってチャオマオが生きるための犠牲者?・・・そのために惚れ
られてる?」
「聞け!!まだ話の続きがあるんじゃ」
「本来なら炒猫は男の寿命を吸わんと死んでしまう妖怪なんじゃが、なんせ
ワシが西王母の桃を食ったせいで炒猫にDNAが受け継がれとるで・・・じゃから
炒猫も不老不死になっとるから死にはせん」
「じゃから、おまえと無理にエッチする必要はないんじゃが、いかんせん発情期は
必ずやってくる・・・じゃから炒猫がおまえを誘惑する習性は止められん」
「奇異太郎は炒猫の発情期が終わるまで自分の貞操を守ること、それがおまえの
炒猫の彼氏としての勤めじゃ」
は?・・・待て待て・・・よく考えたら俺はチョオマオと一生エッチできない
ってことじゃないかよ・・・」
「じゃから、絶対するなとは言うとらんじゃろ?多少寿命が減っても炒猫とエッチ
したけりゃすりゃええじゃろ」
「我慢できずに続けざまに死ぬまでエッチするからいかんだけの話じゃ」
「炒猫とのエッチが常習化されるのが怖いだけじゃ」
「そこは臨機応変・・ほどほどにな、頼むぞ奇太郎」
「10人目の犠牲者は出したくないからの」
猫ばあちゃんは自分の都合だけくっちゃべってさっさと部屋に帰って行った。
で、なんちゅう役目を仰せつかったんだよ・・・俺はチャオマオと運命共同体
じゃないかよ。
誘惑に負けるなっつってもエロフェロモンだっていつ出てんのか分かんないし・・・フェロモンに匂いとかあるのか?
発情期の時だけマスクしとくか。
つづく。
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