飛ばされた異世界でボブゴブリンから貰った缶詰、食べ物かと思ったら出てきたのはフィギュアみたいな妖精だったし。
猫の尻尾
第1話:ボブゴブリンのギモーヴさんって人じゃない人。
僕は某、大学に通う植物男子:年の頃なら20歳。
大学で植物を研究なんかしてるからね。
そして現在、付き合ってる彼女が・・・悲しいかな若干ひとりもいない。
大学にちょっといいなって子がいても告る勇気もないし、ましてや街で女の子を
ナンパするなんて大それたこともできない。
僕の両親は僕が幼少の頃、他界していて僕は祖父母に引き取られ変わった洋館で
育った。
祖父母が亡くなってから僕に残してくれた多少の財産とバイトをしながら今も
その洋館にひとり寂しく住んでいて孤独と仲良くやっている。
だから彼女でもいてくれたら寂しさから解放されて気持ちが紛れるのにと思って
いた。
それがある日のこと・・・。
僕は大学の帰りバス停まで行く帰り歩道の向こうからキックボードに乗った
人が走ってきて、いきなり僕にぶつかって来てその勢いで僕は車道側に飛ばれ
て空中で一回転した。
で、地面に落ちて失神した。
ふっと気がついてなんとか起き上がろうとして、顔を上げて驚いた。
僕は見たこともない場所にいたからだ。
なぜか草むらの上にいる感覚・・・どうやら仰向けに寝転がってたみたいだ。
周りを見て道路の上じゃないと思った。
そこには草原が広がっていたて、どこかの山の上?もしくは丘?みたいだった。
なにがあって、どうなってこんなところにいるんだろう?
ああ、そうか・・・僕はキックボードにぶつけられて飛ばされたんだ。
目線の風景の中にドームっぽいモノが立っていてよ〜く見るとドームには扉らしき
ものがあるのが見えた。
右も左も分からない僕は状況を把握したくて、そのドームを訪ねてみることにした。
恐る恐るドアを叩いてからドア開けてみたら、すんなり開いた・・・だから中を
覗いてみた。
「こんにちは?・・・誰かいらっしゃいますか〜?」
「ん?・・・誰かな?」
「あ、どうも、ちょっとお邪魔してもいいですか?」
そう言って目の前にいる人を見たら・・・小ぶりな人、いや、小ぶりなおじさん。
って言うか・・どう見ても人間とはほど遠い生き物って感じ。
服は着てるけど痩せぎすで顔色が悪い。
灰色の髪の毛とあごひげを生やしていた。
耳がやたら大きくて目がギョロッとしている。
なんかファンタジーの書物とか昔の絵で見たころある気がした。
「あ、あの僕「
「あの・・・あなたは?」
「わしか?・・・わしはボブゴブリン・・・ 名前はギモーヴ」
「よろしくな・・・」
「見たところ、おニイさんは人間だね・・・人間の世界から来たんだろ?」
「え?なんで分かるんですか?」
「うん・・・おニイさんと同じ人間が、時々ここへやって来ることがあるからな」
「何人くらい来たか数えとらんから・・・数は分からんがな」
「え〜そうなんですか?そんなに?」
「あの、つかぬ事をお聞ききしますが、ここは?なんて言うところなんですか?」
「ここか?・・・ここはラングドシャって地区のクレタって丘の上だ」
「せっかくワシの家を訪ねて来たんだからお茶でも飲んで行くかね?」
で、僕は怪しいおじさん、ボブゴブリンのギモーヴさんのご招待を受けた。
って言うか、こんな知らない場所、めっちゃ好奇心が湧いた。
つづく。
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