第6話 りおさんの回.5
ハル「わかった。少しだけでも支援してあげたいからホテルに行こう。」
りお「え、何言ってるんですか?初めて会ったばかりで」
驚いた感じで彼女は言った。
ハル「い、いや、こういうサイトってそういう目的だと思っていたから」
りお「そ、そうなんですか?知らなかったです。。。」
一緒に不動産屋まで行ってあげようかとも思ったが、まだ彼女を全面的に信用できない自分がいた。それに無用なトラブルに巻き込まれるのも嫌だった。彼女は、一緒に来て欲しいと思っていたのかもしれない。
ハルは言った。
「ごめん、今日はあまり力になれなくて、これでご飯でも食べて。今日の交渉の結果をまた教えてね。」そういって1万円を握らせた。
りお「ありがとうございます。今から心斎橋まで歩いて行きます。またハルさんと相談したいからファミマからラインします。次からは初対面の女のコにホテルに行こうかなんて言ってはダメですよ。」そう彼女は笑った。二人は喫茶店を出て別れた。
お茶だけで1万円なら充分過ぎる支援じゃないか。そう思いながらも心はどんより曇っていた。もし、彼女のいうことが本当ならもっとやれたことがあったのか?小遣いを超えた私財を投げ打てば、その場はなんとかなったかもしれない。踏み切れない無力な自分がいた。また、同時に弱みに付け込もうとした自分もいた。自分はなんて、醜い生き物なのだろう。高槻に帰る途中ずっと、そんなことを考えていた。
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