第13話 死神の大太刀 什参
兵の命が刈り取られていく。
彼の動きに似たものはどの流派にも無い。戦いの中で研がれた戦場の技。だが、殺人剣で片付けるにはあまりにも美し過ぎる。
周辺には怒号と悲鳴が響く。血飛沫と破損した甲冑が舞う中に肉片が混ざる。間合いに入った者から大太刀で斬り倒されて行った。
多くの兵が命を刈り取った。
薙刀を振るったのは巨漢。縦にも横にも
渾身の不意打ちを防がれたその男は驚きの表情を見せた。その巨漢は軽い身のこなしで後ろへ飛退く。大太刀の間合いから出た巨漢が、頭上で長巻き振り回しながら名乗りを上げた。
「よくぞ防がれた。
名乗りを追えた
彼のが来たことで他の兵が後ろへ下がる。兵が周囲を取り囲み、自然と一騎打ちの形となった。
「お前が俺の相手をするって?」
「そう言ったつもりだ。人の言葉を使ったつもりだったが言葉が通じなんだか。貴殿のような蛮族には、我等が扱う言葉は難しかっただろうか。」
挑発ともとれる言葉。
「言葉を返すこともできんか。礼儀を知らぬ蛮族が。これ以上恥の上塗りをする前に我がその素っ首を斬り落としてやろう。受けてみろ、秘技・
技名を叫ぶと長巻きが高速回転を始める。既に切っ先が目で追えない。だが、
「はっはっはっ、これが我が流派に伝わる最速の秘技。目で追うこともできまい。貴殿では見切れまい。」
「喰らえ。
気合を込めて技名を叫ぶ。長巻きによる必殺の一撃。
「
視界に太い腕が入る。それは見慣れた・・・そう、自分の腕。長巻きと腕が地に落ちる鈍い音がした。
「あぁ、あぐ、がぁぁぁ・・・我の、我の腕がぁぁぁ。」
腕があった場所を抑えて悲鳴を上げた
何が起こったのか理解出来すに後ずさる。視界に入ってくるのは漆黒の切っ先と鋭い視線だった。
一人を相手に部隊が瓦解した。
漆黒の大太刀から血が滴る。
「ま、ま、待たれよ。参った。我の、我の負け・・・。」
命乞いを始める
その様を
「こ、ここまで強い浪人が居るとは思いもよらなんだ。そ、そうだ。貴殿、
漆黒の大太刀が振り下ろされる。頭を割られるまでの間、怒号のような悲鳴が辺に響いた。
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