小田原攻め

第32話

ついに豊臣麻衣は、太政大臣にも任命された。


従一位・関白・太政大臣...。


従一位以外は、それぞれの役職の最高峰である。


そして麻衣は、家臣である石田絵梨花に、《従五位下(じゅごいげ)》の官位と、《治部少輔(じぶしょうゆう)》の令外官を与えた。

大谷沙友理には、《従五位下》の官位と、《形部少輔(ぎょうぶしょうゆう)》の令外官を与えた。


これにより、一部の女生徒達からは、役職などで呼ばれる事も増えて来た。


《石田治部(いしだじぶ)》や《大谷刑部(おおたにぎょうぶ)》などである。


━━麻衣は、太政大臣よりは、《関白》の方で呼ばれる事が多い。



「初めまして。」

真田美彩は、頭を下げた。


「初めまして。」

と、本多健(ほんだ・たける)も頭を下げた。

徳川家臣、本多桃子の弟で、なかなかのイケメン。


美彩と同じ高校二年生である。


━━ここは信濃地区小県のファミリーレストラン。


この日から、二人の交際が始まった。

麻衣からの提案で、交際する事になった二人ではあるが、お互いに一目惚れしたらしく、上手くいきそうな予感だ。

そして、真田と徳川に同盟関係が出来た。


━━姉の真田純奈は、少し安心をした。


いくら大名になったとはいえ、規模は小さい。

徳川七瀬や北条飛鳥に攻め込まれたら、一溜りも無い...。

上杉史緒里は、妹の未央奈が上手くやってくれれば、問題ないだろう...。



「宜しくお願いします。」

といって、真田未央奈は頭を下げた。


━━ここは、越後地区春日山女学院である。


「ようこそ、春日山女学院へ。」

と、直江かりんが出迎えてくれた。


「信濃地区上田女子高附属中学から来ました、真田未央奈です。」

と、未央奈は再び頭を下げた。


「春日山女学院二年生の直江かりんです。」

と、かりんが言った。


━━しばらくすると、上杉史緒里もやって来た。


「春日山女学院二年生の上杉史緒里です。」

史緒里も挨拶をしてから、

「リラックスして過ごして下さいね。」

と言った。


「ありがとうございます。」

と、未央奈は言った。


「未央奈さんは、何か得意なものとかあるの?」

と、かりんが訊いた。


「はい、陸上部に所属していて、50m走なら六秒台で走れます。」

と、未央奈は答えた。


「早い!!」

横で聴いていた史緒里は驚いて、

「他には?」

と訊いた。


「あとは、《高速まばたき》です。」

と、未央奈は言った。


「高速...まばたき...?」

史緒里は首を傾げた。


「はい。」

と言って未央奈は二人に、高速でまばたきをして見せた。


「......。」

「......。」

リアクションに困る二人であった...。



そして、ついに北条飛鳥を攻める時が来た!!


麻衣は、石田絵梨花を総大将にして、武蔵地区の飛鳥の支配下にある学校を攻めさせた。


麻衣は、絵梨花に手柄を立てさせたかった。

絵梨花をサポートする形で、大谷沙友理、真田純奈、上杉史緒里、直江かりんも、絵梨花の軍に加えた。


中学生の未央奈も、一応、研究生という形で参加させた。


絵梨花達が相模に向かう前日、絵梨花、沙友理、純奈、史緒里、かりん、未央奈の六人で、《作戦会議》と題して食べ放題の焼肉屋に行ったのだが...。


絵梨花、沙友理、かりん、未央奈の四人が大食いキャラで、史緒里と純奈がドン引きするくらい食べたのだ。


━━大食いキャラ同士、なにか通ずるモノがあったのか、この四人の結束は堅くなった...。


麻衣は絵梨花達の軍も含め、総勢二十一万人もの女子高生を動員して、北条を攻めた。


《難攻不落》と言われている、小田原女子高も、さすがに相手が悪い。


飛鳥も観念したが、神奈川県民としてのプライドが、討ち取られる事を恥だと思い自害した。


北条飛鳥、高校二年生。

誇り高き美少女の最期である...。


麻衣は、飛鳥を討ち取りたかった訳ではない。

協力して欲しかったのだ。

現に、九州攻めを行った際も、島津怜奈を討ち取ってはいない。


しかし飛鳥は、降伏も恥だと思った。


━━きっと時代が時代なら、

《従うとは負ける事》

と言い聞かせて、夜の校舎を窓ガラス壊して回るぐらい、従う事を嫌っていた...。


そして麻衣は、天下を統一した...。

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