富士美君は今日もご臨終!

ふわりんご

プロローグ 

 ここは日本のとある場所にある名門私立「桔梗学園」。

勉学に励むもの、スポーツに励むもの、芸術に向き合うものが大勢集まったこの学園で、一人の男が今日も戦っていた、、。


「ふぁ~あ。」

校長の話はいつだって長い。マジ話すことなんてなんもねえのに、無駄に話を広げようとするから、途中から育毛シャンプーの話なんてしだす。髪の毛ねぇのはお前だけだよなんて思いながら、俺はあくびをして隣に座っている女子に顔を向けた。

(相変わらず綺麗な顔してんな、、、)

この女は、晴海紗々良。俺が小さいころからの幼馴染で、ずっと片思いをしている。

容姿端麗、元気溌剌(げんきはつらつ)、勇壮活発なんて言葉は、こいつのためにあるといっても過言ではない。いや、マジでかわいいな。今日も可愛い。死ぬ。

ま、告白はいつも失敗してるんだけどな!!ハッ!!

なんでかって?それは俺が不死身だからさ。

ん?意味が分からない?あー、詳しく言っちゃうと、俺は一回死んでるんだよ。

死因がよくわからなかったんだけど、気づいたら生き返っていたらしい。

おかしい話だろ?でも本当だから困るんだよ。

まあ、その腹いせってゆうやつ?で不死身になる代わりに、超々超~~~~~変な呪いにかかっちゃいましたーってわけ。な?これだけでも最悪だってのに、その呪いってのが、「好きな人に思いを伝えられない」ってこと。俺が最初に告白したのは三歳のころだったな。そん時紗々良に「好きだ」って伝えようとした瞬間、車に吹っ飛ばされたんだよ。小1の時に動物園で告白しようとしたらライオンに食われて、その次の日に告白しようとしたら、上から落っこちてきた鉢にぶつかって死んだ。災難どころじゃねぇし頭に来るけど、俺はまあ、紗々良の隣に入れれば良いと思ってたんだ。だけど紗々良に始めて彼氏ができた時、すっごいよくわからねぇけど、これじゃダメだって思った。紗々良がいなくなったら本当に死んじゃうなって気がしたんだよ。だから、俺は一緒の中学、高校に入って、何度も告白に挑戦したんだけど、気づけば、高校二年生になっていた。あーあ、いつになったら思いを伝えられるんだか。

ん?あー俺の名前?

富士美好人。ふじみよしひとって読む。よろしくな。


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