社畜が向いていない人の夢
- ★★★ Excellent!!!
社会の歯車になることは必ずしも悪いことではない。歯車がいなければこの世界は回らないのだから。
ただ、その歯車にも向き不向きが存在する。
この夢を見た作者はきっと、歯車に向いていないのだろう。自分に向いていないことを無理やりしようとすることに対して、体が拒絶反応を起こしている。きっと彼の行く末が地獄行きなのが見えてしまって、最後の一文が辛かった。
内容の重たさに相反して文章は軽やかで、皮肉がたっぷり散りばめられている。
針山でタップダンスを披露しているかのようだ。
特にブリキの上司たちの表現が詩的でかなり好みだ。こんな表現をするのに歯車になるなんて勿体無い、とすら思う。
どうか、彼が行く先に幸在らんことを。