ジョルジョバ伝説
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第1章 照宮軍の襲撃
第1話 てるみやの存在
・・・
・・・・・・
― 絶対に許さないぞ...
そう呟き、彼は「素材」を生み出し去って行った。
清々しい風が過ぎる。暑いあの時期が今年もやってきた。
「やっぱり夏といったら海だな。」
そう言うのはジョルジョバ。後に「こうき」という名を与えられる人である。
「・・・一人でここに来るというのもなかなか良いよな、そうだろう?」
誰に話しかけているのかも分からずただ孤独に、彼はある能力を使った。それは、iPhone8を投げる能力である。どこから出てくるのか分からない。それどころか、何故出るのかすら分からない。ただ、iPhone8を投げると良い気持ちになるのである。
そうしていると、何やら怪しい影が迫ってくるのが微かに見えた。気の所為かと思い一度振り向くのを躊躇ったが、あまりにも視線を感じるので、恐る恐る振り返ってみると、そこには見知らぬ誰かが、4人、しかも同じ顔と素振りでこちらを凝視していたのである。
「誰だお前たちは!」
不意にそう叫ぶと、その4人組はほぼ同時に、同じ声でこう言った。
「てるみやだよ。」
名前、姿、声、すべて見た事も聞いた事もない。しかも、全員同時に喋るのが相まって怖くなったので、「未確認生命体だああああ!助けてえええええ!!!」と叫んで逃げようとした。ただし、そう現実は甘くないのである。
「ワイらは『あのお方』に報いなければならないのだ!」
彼らはそう叫んでおもちゃの剣のようなものを振りかざして突進してきた。もちろん痛くも痒くもない。何かの遊びなのか?と一瞬思ったが、相手が本気みたいだったのでこっちも対抗することにした。
「あのなあ...俺には特殊能力があるんだよ」
「iPhone8を投げられるというなあ!!」
そう言うと同時にiPhone8を容赦なく投げまくった。投げれば一回は当たるだろう、という気持ちで。そうすると、彼らはいつの間にか居なくなっていた。
「倒した...な。」
倒して少し心は落ち着いたが、やはり急に襲い掛かってくるのは「何か」がある。これからは警戒しなければ死ぬかもしれない、という恐怖が遮った。早く帰ろうと思った瞬間、今度は違った雰囲気の、顔が似ている人が現れた。
さっきの奴と同じかと思い、iPhone8を取り出し攻撃を始めた。が、
「嘘だろ!?俺の攻撃がまるで当たらない!」
iPhone8をいくら投げても、相手は全て避けてくるのである。
「少しは攻撃できるみたいだな。」相手は嘲笑った。
「でもこんなもの...ワイにかかれば塵以下やわ!!」
そう言って、さっき投げていたすべてのiPhone8をすぐに振り払ってしまった。
「次はワイのターンやな。iPhoneXがどれだけ優れているのか、証明してやる。」
コイツはiPhone8よりも性能のいい、iPhoneXの使い手だった。全ての攻撃が素早く、避けるのは困難だ。しかも、当たってしまうと少しの怪我では済まない程の威力がある。自分の力ではどうしようも出来ない。
「さあ、早く死ねえええ!!」
もう完全にお手上げ状態だ。ここまでか...と思い、死ぬ覚悟をした瞬間だった。
「無双気分の所、悪いな!」
何処かから段違いの威力のiPhoneが爆速で落ち、てるみやの脳天をぶち抜いた。
「なんだこのiPhone!?そんな...俺が...やられるなんて!!」
そしてすぐさまその場からてるみやが消失した。
「まったく、なんでiPhone8しか持っていないんだよ。」
「お金が無いから仕方ないだろ。」
「ところで、君は例の『ジョルジョバ』って人かい?」
何故知っているんだ。そう思いながらも頷き、話を聞き続けた。
「...実は、『ある集団』が君のことを狙っているという情報を聞きつけたんだ。」
「『ある集団』って一体?」
「今の所どんな集団なのかは分からない。ただ、常に警戒しろ。いつアイツらが来るかは分からないからな。」
正直、話を聞いても、困惑と恐怖で全く内容が頭に入って来ないので、ただただ「はあ...」と返答するだけであった。
― クソっ、あいつらを出してもダメだったか・・・まあいい、まだまだこっちには手がある。存分に楽しませて貰おうじゃないか。
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