絶望

  • ★★★ Excellent!!!

多良木たらきという主人公の未熟さ、揺らぎ、そして成長が、丁寧な心理描写と熱量のあるアクション描写の両方から伝わってきて、読者として強く感情移入できます。

何より素晴らしいのは、絶望という抽象的な概念を「意欲の消失」として具体的に描いたこと。痛みや恐怖のように克服する相手ではなく、「どうでもよくなる」ことの怖さを説得力をもって描写しており、そこからの再起が一層印象深くなっています。

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