第4話 オリンピック

「堀上選手、まずはランでトップに立ちましたがベストトリック三本ともスコアが付きません。

 長瀬さん。

 堀上選手すごい技を狙ってるようですが」


「ですね。

 ただ、ランでトップに立っているのでそんなヤバいのやらなくてもとりあえずスコアの付く技を決めるのがセオリーなんですけどね。

 まあ、かっこわりいと思っているんですかね。

 とにかく成功してほしいですね」


「はい。

 堀上選手四本目滑ります。

 おっと、危ない。

 今回もスコアは付きません。

 五本目ラストランにすべてを掛けることになります。

 どうでしょう、長瀬さん」


「いや。

 なんとなく何がやりたいかわかってきましたけど、これは地球上じゃ無理ですね。

 月でも行かないと」


「ヤバいんですね」


「ヤバすぎです。

 とにかく成功してくれ」


「今回堀上選手このベストトリックのために特別なボードを用意したみたいです」


「みたいですね。

 前はそういうタイプじゃなかったですけど。

 大けがしていろいろ考えたんじゃないですか」


「何でも車椅子職人に制作を依頼したとか」


「ええ。

 何があったのか聞いてませんけど破天荒すぎでしょ」


「かみ合ってくれると良いんでけどね」

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