第4話 ラブホ後の学校1
昨日の衝撃的な現場からの翌日。今日俺は本を読みながら思考していた。三浦が俺に話しかけてきた。
「おいおい、昨日のアレなんだんだよ……」
「昨日の変装のことかな?あれは……趣味の一つさ」
流石にラブホテル街で人々の恋事情を観察していたとは言えないし、その中で学園のアイドルともいえる姫宮に会ったとは言えなかった。そのくらいの常識は俺にもあった。
「いやいや趣味の領域超えてるだろ…。イケメンになるためなら分かるけどよ、なんでオジサンなんだよ。しかもイケオジでもないし…」
「あれくらい普通のオジサンだと、意外と注目されないものなんだよ」
「どうせ、また禄でもないことをしていたんだろう……」
(ご名答。流石半年近く友人をしているだけあって、俺のことを理解している)
「みんな、おはようぉ~」
甘ったるい大きな声で挨拶をしたのが、姫宮だ。正直昨日のことについて聞きたい気持ちで山々ではあったのだが、その気持ちをグッと堪えていた。
彼女が教室に入ると、友人同士で話し合っていた者達も自然と彼女の方へと視線が釘付けになる。それほど彼女の容姿が素晴らしい事の裏付けと共にクラスの中心事物なのだろう。また、性格もいいらしく気配りが出来るというのが、三浦が語っていたことだ。
そういう三浦も俺との話に集中出来ず、チラチラと姫宮の方へと視線を寄せていた。
彼女と同じクラスになって、まだ間もないが男達の視線が胸・尻・脚に行っているのが非常によく分かる。彼女は男が好きな清楚な見た目ではあるが、意外と隙が多いのである。胸元も角度によっては見えそうではあるし、何よりボディタッチが多い。観察しただけでも3人に自然と行っているな。
(なるほど、性的な欲求を高めるには顔やスタイルだけでなく、あーいった気配りや仕草も重要なのだろう。恐らく顔が平均的な女性でも、あれだけの行動が出来れば学年でも上位に食い込むほどには男からの注目を集めるだろうな……)
俺が思考しながら姫宮を見ていると、彼女と目が合ってしまった。彼女はニコリと微笑みを俺に向けてきた。昨夜、中年のおじさんに向けていた笑みと同様なのだが、これが好意によるものなんか演技なのか、彼女に問い詰めたい衝動に駆られていた。
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