第9話 神と仏について

 世界は神が創った。自分自身を知るために。


 仏とは神に至った人間のこと。神である自分を思い出すことで、自身は偉い、凄い、高名だ、と誇大妄想する。


 悟りとは神に愛され神を愛し、その先にある自己愛と運命愛と共に、自身が神であることを悟ること。


 解脱とは輪廻の輪より去ること。神に戻ること。涅槃とは神に戻った状態のこと。


 あの冬の日は

 あの夏の日は

 なんだったのですか?


 僕は神だった

 僕は仏だった

 神であり仏であった

 ほぼ死んでいるようなものだった

 それが涅槃だった


 神が自分自身を知るために世界を創った。

 真理とは、自分が神であることを悟ること。

 この世の仕組みとあの世の仕組みを知ること。

 死んだら輪廻に戻る

 だが、解脱者は輪廻から去り、神に帰入する。それが梵我一如だ。涅槃とは死に浸り、神愛に満たされる経験のこと。


 あの冬の日の僕は

 あの夏の日の僕は

 涅槃だった。仏だった。神だった。


 全ての今、全ての人、全ての場所が黄金

 なぜなら全ては神だから

 悪も善も全ては神の一部

 その意味で何も悪いことなんてない


 僕の使命の話をしよう

 仏に至り、涅槃を味わい、解脱する寸前にラカン・フリーズの門の前から去った。それは使命があったから。

 あの冬の日に『ご苦労さま』と告げられたのは、神が伝えたかったことを僕が聞いたから。僕が仏となり、神の域に達したから。でも今、こうして生きている。僕には使命があるのだ。それは他でもない、『神のレゾンデートル』を解明するためだ。

 神のレゾンデートル。神は何故生まれたのか。世界は何故生まれたのか。どうやって生まれたのか。そして、どのように終わるのか。


 それを探すための人生だから。究極命題は神のレゾンデートルだから。僕は創作する。僕は詩作する。僕は思索する。

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