第2話 泣いた赤鬼
とある山の中に、一人の心優しい赤鬼が住んでいました。赤鬼は、ずっと人間と仲良くなりたいと思っていました。なので、「心の優しい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」という立て札を書き、家の前に立てておきました。
しかし、人間たちは疑い、誰一人として赤鬼の家に遊びに来ることはありませんでした。赤鬼は、非常に悲しみ、信用してもらえないことを悔しがり、終わりには腹を立て、せっかく立てた立て札を引き抜いてしまいました。
一人悲しみにくれていたころ、友達の青鬼が赤鬼のもとを訪れました。赤鬼の話を聞いた青鬼は、「ぼくが人間の村に出かけて大暴れする。そこへ君が出てきて、こらしめる。そうすれば人間たちにも君が優しい鬼だということがわかるだろう。」という策を思いつきました。それでは、友人に申し訳ないと思う赤鬼だったが、青鬼は強引に赤鬼を連れ、人間たちが住む村へ向かうのでした。
そして、ついに作戦は実行されました。青鬼がわざと村の人たちを襲い、赤鬼が懸命に防ぎ、助けました。作戦は成功し、おかげで赤鬼は人間と仲良くなり、村人たちは赤鬼の家に遊びに来るようになりました。人間の友達ができた赤鬼は毎日毎日遊び続け、充実した毎日を送りました。
だが、赤鬼には一つ気になることがありました。それは、親友である青鬼があれから一度も遊びに来ないことでした。今、村人と仲良く暮らせているのは青鬼のおかげであるので、赤鬼は近況報告もかねて青鬼の家を訪れることにしました。
しかし、青鬼の家の戸は固く締まっており、戸の脇に手紙がありました。
「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは旅に出ることにしました。長い旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら。体を大事にしてください。ぼくは、どこまでも君の友達です。 青鬼」
青鬼からの置き手紙がはってありました。赤鬼は黙ってそれを二度も三度も読み上げ、涙を流すのだった。
(原作 浜田洋介 「Wikipedia 泣いた赤鬼 あらすじ」より再編集)
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