サヨナラの季節

アオイロノペン

三月は去る

うっかり牛乳こぼしたみたいに

花びら散ってる

またね

またねって

名残とどめて


もう春だと暦も言ってるのに

淡雪ふってる

ほたり

ほたりって

すぐ消える足あと残して


ああ有終の美

なんて言ったって

終わりって

いつだって

あたふたして

ざわざわして

実感もないままで


花が散る

きれいに

むじゃきに

またねって


雪が舞う

これでもう

さいご

さよならって


春風は

すべてを吹き飛ばして

爽やかなフリして連れ去る


待ってよ

まだ

つぎ会う約束を

してないんだからって

ねえ

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