第13話
「話してくれたらなんでも相談にのるのになぁ……りっくんは可愛い弟なのに」
「幼馴染離れしなよ。大体陸くんと桃なら確実に桃が妹でしょ」
「私の方が二日誕生日早いもん! それにさ私がそうちゃんと結婚したらホントに弟になるんだよ!」
「……お前みたいなガキに姉貴面されたくねーよ」
興奮して大声で立ち上がった私の耳に、呆れた様な低い声が響いた。
奈津ちゃんはちょっと可笑しそうに笑ってる。
不機嫌な声が聞こえてきた方向に、私はギギっと音が出そうなほどぎこちなく首を回した。
「り、りっくん……」
体育を終えたりっくんのクラスの子がぱらぱらと廊下にいる。
その中で、りっくんは呆れた様に私に冷たい視線をくれていた。
いつも学校じゃろくに話しかけてもこないのに、なんでこんな恥ずかしいことを叫んでしまった時に限ってどうしているの……
「大体さ、約束って言ったって四年も前だろ? 空の苦し紛れなんじゃねーの?」
「なんでそんなひどい事言うの!?」
酷いっ! 私だって四年前はちょっとそう思ったんだからそんな事言わないでよ!
りっくん私がそう言って落ち込んでた時は慰めてくれたじゃん!
それにそうちゃんはほぼ毎日電話もくれるし、時々そうちゃんの方から言ってくれるもん。
『俺は四年前から変わってないけど、モモは心変わりしてない?』って。
……思い出したらドキドキしてきちゃった。
早くそうちゃんに会いたい……
四月からは毎日傍にいるんだけど、大学の卒業式直前の今週末は帰省準備で帰ってくる予定だ。
私の受験も終わってるからゆっくり会えるねって話もしてて、私はずっとすごく楽しみにしていた。
もしかしたら“約束”の話もその時に出るのかも……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます