第32話

「・・・た。」



「は?はっきり言えよ。」



「女と歩いてた・・・っ!!」




我慢出来なくなって吐き出すように言えば呆れた様に和泉は溜息を吐いた。





「だから、辞めとけって言っただろ。」




そう。和泉に話す度に言われ続けた。



こちらからでは、電話にも出ないあたしの恋人。




「好きになっちゃったんだもん!」



「好きって言われて?」



「・・・。」








恋人だって、あたし一人が思っていた人・・・。

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