ホラー短編集

星空の海月

第1話 夢

 仕事に疲れて私は風呂に入る前にベッドに体を預けて眠りにつく。


「はぁ、疲れた」


*****


 次に目を覚ますと、私はベンチに座っていた。

 辺りを見渡しても灰色の子供しか見えなかった。

 不気味な子どもの笑い声が聞こえてくる。灰色の着ぐるみが子供に風船を渡した。

 突然。


 パァン!!


 と耳障りな破裂音が聞こえた。

 私は子供の姿を見て怖くなって震えた。

 頭が破裂している。

 風船が破裂したみたいに赤色だけが辺りに散らばっている。

 捕まらなかった風船が空に飛んでいく。

 普通の子供達だったら泣き叫んで逃げてるだろう。

 だけど、それでもなお、風船もらいに行こうと大勢の子供達が着ぐるみに集ってる。

 私は吐いてしまった。

 現実じゃないこれは。

 そう分かっているのに、起きれない。

 体を動かしてベンチから立ち上がって、子供達とは反対方向に走っていく。

 歌が聞こえる。


「一つの飴ちゃんはいらんかねー、金平糖もポップコーンもあるよー。美味しいから食べてごらん。頭の中のポップコーンはいらんかねー」


 血生臭くて私は恐怖と現実に戻りたくてしかたなかった。

 頭上に影ができた。

 子供達が膨らんでる。

 だめだ。

 と思った時には遅かった。


 パァン!! パァン!!


 破裂して臓物たちが私の体にかかる。


「もういやぁ.....」


 足音が聞こえてきたけど顔を上げる勇気もなかった。

 歌が聞こえる。


「次はあなたと一緒に遊びましょう。幸福でいっぱいにしてさしあげましょう。さあさ、逃しませんよ」


 顔を上げて見てみると、ピエロが顔色を伺うように見ていた。


「次はどうしてさしあげましょう。風船はいかが、ポップコーンはいかが、鏡の世界はいかが」


「いや」


「鬼ごっこしたいのですか? かくれんぼ? それとも」


「来ないで」


「パレードもありますよ。手品はいかが」


 歌うように、いつの間にか持っていた斧を振り上げてきた。


「答えない悪い子は死刑」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ホラー短編集 星空の海月 @hulannronn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ