第7話 うちん体ば見らんでくれん…

 そやけど、脱衣所はさすがについとらんね?ストッキング、どがんして脱ごうかね。えい、面倒くさか!うち、ベッドに腰掛けて、グレーのウールのキャップば取ったばい。ホットパンツば脱いだっちゃ。明彦、目のやり場に困っとるやん。エヘヘ、どや!23才の体やっちゃ!ストッキングも脱いじゃおうや!うち、内心、「明彦、びっくりした顔しとるばい。うちの体、見せつけてやるっちゃ」とニヤニヤしとった。


「おいおい、ミキちゃん、ここで全裸になるつもりか?」

「明彦、違うっちゃ!こん狭か浴室で立ったまんま、ストッキングば破らんごと脱ぐ方法が思いつかんけん、ここで脱ぐっちゃ」と長袖のシャツも脱いだばい。ブラとパンティーだけや。どうや?興奮するっちゃろ?うち、内心、「この格好で明彦、どう出るか楽しみやね」とドキドキしとったばい。


「刺激が強い光景なんだけど・・・ショーツ、見えてるよ」

「見えたっちゃ減るもんやなかろうもん?それとも、うちの体、お気に召さんと?」とうちが首ば傾げる。うち、内心、「明彦、どう思うとやろ?自信あるっちゃ」とちょっと期待しとった。

「いいや、好みのプロポーションだよ。胸も大きすぎず、小さすぎず、掌にすっぽり収まる好みのサイズだ・・・って、何を私は言っているんだ・・・」

「うちの胸、ちょっと小さすぎん?」とブラば引っ張って胸ば見たばい。まあ、Eカップやなかばってん、一応Dカップはあるっちゃ。乳首もピンクやけん。うち、内心、「明彦に褒められて、嬉しいっちゃけど、ちょっと照れるね」と頬が熱くなった。


「そのくらいが良い。お尻も丁度いい」

「好みっちゃね?そうっちゃね?」とうちがニヤッとする。

「うん、私のタイプの体だよ・・・って、いや、だからってね、そういう話じゃない!」と明彦が慌てる。うち、内心、「明彦、焦っとる顔が可愛かね。もっとからかいたいっちゃ」と楽しかったばい。


 ブラとパンティーだけになったけ、押し倒してくるっちゃないんかな?って期待したばってん、やけに紳士やね。チェッ!うち、内心、「明彦、優しかけど、もうちょっと強引でもええっちゃ」とちょっと物足りなかったばい。

「うち、お風呂にお湯はってくるけ。明彦も脱ぎーよ」と言うたっちゃ。そやけど、明彦、もじもじしとる。何ね?ひと回りも年が違う女ば相手に、あれしてこれするっち倫理感とか道徳感で悩みよるっちゃろか?そげん気にせんでよかとに。

「明彦、うち、処女やなかけん、気にせんでよかと。それに病気持っとるわけでもなかし、うちの体、どげんしてもよかっちゃけど?」とハッキリ言うたばい。

「まいったなあ」と明彦が答える。うち、内心、「何が『まいったなあ』やろ?うちが誘っとるのに、困ることなかろ?」と首をかしげた。


 うち、お風呂場に行って蛇口ばひねったばい。40度くらいやろか?よし、まず明彦ば先に入らせて、それからうちが明彦の両脚の間に潜り込んで、背中とお尻ばピトッて押し付けるっちゃ!どうや?これで手ば出さんやったら、明彦はインポ確定やっちゃ!うち、内心、「ここで試してやるっちゃ。明彦の反応、見ものやね」とワクワクしとった。バスタオルば二枚持っていって、一枚ば彼に渡す。さすがにちょっと恥ずかしかけん、タオルば体に巻いて、ブラとパンティーば脱いだばい。ちらっと見ると、彼も背中ば向けて服ば脱ぎよる。諦めたんやね。うち、内心、「やっとその気になったっちゃね」とニヤリとした。


 まあ、うちも元カレのアパートから逃げ出して、今プータローばしよるばってん、正直言うて、経験は元カレしかなかっちゃ。強がりよるばってん、実はちょっとドキドキしとるっちゃ。

「明彦、うちね、大学ん時に元カレと同棲しとったっちゃけど、DV野郎やったっちゃ。それでアパートから逃げてプータローしよるけど…実は男の経験ち、そいつしかなかっちゃ。つまりやね…明彦は、うちの人生で二人目の男になるかもしれんっちゅうこと…」とお湯ばためよる間に打ち明けたばい。「やけ…実は、ちょっと恥ずかしかっちゃ…」と本音がポロッと出た。うち、内心、「強がっとるけど、明彦にどう思われるか不安やね」と少し緊張しとった。


「ミキちゃん、それはわかったけど、なんで私?さっきバーで会ったばかりの男になぜ?」

「え~っと。ほんなら説明するばい。ちゃんとした会社員みたいやし、ママにも言うとったけど、バツイチで今独身。不倫関係にはならんし、フェリーに乗ってみたかったっちゃ。どうせ乗るならスイートに泊まりたかったし、船賃ば出してもろうたけん、うちが提供できるのはこの体しかなか。元カレの家から逃げ出してから、セックスしとらんけん、正直、溜まっとる。明彦は、うちの印象やけど、乱暴せんやろうし、たぶん体の相性はよさそうっちゃ。それに実はうち、ファザコンやけ、年上が好きっちゃ。これで納得してもらえるかいな?」とまくし立てたばい。明彦、なんか考え込んどる。うちの言うたことば反芻しよるっちゃろか?うち、内心、「ちゃんと聞いてくれる明彦、優しかね」とちょっとホッとした。


「ミキちゃん、女の子でもセックスしてないと溜まっちゃうもんなの?」と聞かれた。おっと、そこをついてくるんかいな?意外やっちゃ。

「人によるっちゃなかと?ばってん、うちとかママは溜まる方やね」

「ママも?」

「うん、たまにママの部屋行ったら、エッチな話しかせんっちゃ。ママも最近相手がおらんけん、溜まっとるごたるよ」

「九州の、小倉の女って、みんなそうなのか?」

「他んとこは知らんけど、女の子っちだいたいそげんやっちゃ。高校でも大学でも、女同士じゃエッチィな話しかせんよ。明彦んとこはどうなん?どこで生まれて育ったん?」

「産まれも育ちも横浜だけど」

「お!浜っ子やん!なんかそげん気がしとったっちゃ。横浜の女って、こげんやなかと?」

「ミキちゃんほど率直じゃないなあ。まあ、ぶりっ子してるのかもしれないけどね」

「気ぃ持たせるより、そっちの方がええやろ?率直な方がさ…って、お湯溜まったか見てくるっちゃ!」


 お湯は満タンに溜まっとったばい(うちの性欲とおんなじやね)。さっきデスクの引き出しで見つけたアメニティーの袋から、秘湯の湯っちゅう入浴剤ば取り出したっちゃ。にごり湯って書いてある。さすがに、透明なお湯は恥ずかしかったけ、入浴剤ばふりかけたら、お湯が白濁したばい。うち、内心、「これなら少し隠せるっちゃ。ちょっと安心やね」とホッとした。

「準備できたっちゃ、旦那様。先に入ってくれ」と明彦に言うたばい。首ば振っとる。やれやれ、っちゅうことかいな?うち、内心、「まだ躊躇しよるっちゃね。かわいかね」とクスッとした。


 お風呂場から彼が「どうぞ」と言う。うち、「明彦、やっぱ恥ずかしか。うちん体ば見らんでくれん?」と思わず本音が出たばい。彼が「向こう向いてるよ」と壁の方ば向く。うち、タオルば取って、体にお湯ばかけたっちゃ。

「明彦、両脚、拡げて。うちが入れる場所ば作ってくれ」と言うたばい。

「こうかな」とまだ壁の方ば見とる。


 うち、彼が開いた両脚の間に潜り込んだばい。どうや?彼に背中とお尻ば押し付けた。お!なんか固いもんが背中にあたるっちゃ。インポやなかった!

「エヘヘェ、明彦、インポやなかったね」とうちが笑う。

「ミキちゃん・・・私は正常ですよ」

「手も出してくれん、襲ってもくれんやったけ、一瞬、疑ったっちゃ~」

「・・・」

「固うなったね?」

「あのね、ミキちゃん、プニプニした23才の可愛い女の子が、背中とお尻を押し付けて、自分の両脚の間にいれば、そりゃあ、固くなるよ」

「じゃあ、抱いてくれるっちゃね?」

「これで、抱くなと言われても無理だ」

「そぉこなくっちゃ…って、自分で言うてて恥ずかしかっちゃ、実は」とうちが照れる。

「まいっちゃうなあ」

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