異世界転移したら聖属性魔力が無限大でした
@minamo34
第1話プロローグ
「異世界転移か~、実際あったらどんな感じなのかなあ」
そんなことを考えていたのはほんの数分前のこと。
今考えればなんて馬鹿なことを考えていたんだろうと思うばっかりだ。
目の前に広がる広大な大地は、テレビの中でよく見る日本の原風景と言えばいいのか、まず都会では見当たらないものばかり。
どこまでも広がる草原、近くに見える林、遠くに見える森や山。
所々に大きな石や岩なんかもあって、普通に見れば日本のどこかの田舎にでも来たのかと思うような風景が広がっている。
でも、頭上を見たこともないような大きな鳥の群れがばっさばっさと大きな羽音を立てながら去っていく様は、どう見ても日本どころか地球でもないことが嫌というほどよく分かる。
なんで!? なんでこうなったの!?
わたしは高校からの帰り道に本屋によって、いつものようにライトノベルなんかを見ながら妄想にふけっていただけなのに!!
そう。
そのライトノベルから声が聞こえたような気がしたのだ。
わたしが手に取って見ていたライトノベルの題名はこんなものだった。
『異世界転移~あなたも異世界へ旅立ってみないか?』
まるで何かの旅行のパンフレットの見出しのような題名だった。
そのライトノベルに引き寄せられるかのように手に取ったわたしは、最初に言ったセリフを口にした。
「異世界転移か~、実際にあったらどんな感じなのかなあ」
見たこともない世界。見たこともない人々。見たこともない生き物たち。
そして魔法。
実際にそんなものが使えたらどんなものなのかなあ、なんてことを考えている時だった。
『異世界への転移希望者を確認。ようこそ異世界『エクリプス』へ。『エクリプス』への転移を開始します』
「え?」
わたしがそうつぶやいた瞬間、そのライトノベルがまぶしくフラッシュしたかと思ったら、世界が一変していた。
本屋が消えて、周りにいた人々も消え、気付いたら草原の真ん中にポツンと立っていたのだ。
と、ここで最初の出だしに戻るわけなんだけど。
「一体ここはどこなの? 本屋はどこ? ていうか、人は? 建物は? なんで何にもないわけ?」
足元を見ると、どこかの街道なのかたくさんの足跡があって、白い小道が東西に延びていた。
手を見ると、さっき見ていたライトノベルを持っていた。
「そうだ。そうだよ! この本を手に取ったら訳の分からないことになったんだった! 確か『エクリプス』とか言ってたよね? じゃあこの世界は地球ではなく『エクリプス』っていう世界のどこかなわけ!?」
もう一度ライトノベルを見てみると、題名の文字が日本語じゃなくなっていた。
というか、日本語どころかきっと地球のどこの言語でもないよねと言いたいような、見たこともない文字へと変わっていた。
でも、なぜかなんて書いてあるのか理解することができた。
『エクリプスの歩き方』
今度はそんな題名に変わっていた。
「『エクリプスの歩き方』? 何なのこの本は。この世界のガイドでもしようっていうの?」
そう思いながらもぺらりとページをめくってみると、私の顔写真と共に私のプロフィールが書かれてあった。
【名称:アキ・ヒイラギ 年齢:十六歳 種族:人間 職業:なし 魔力:
「聖属性魔力が無限大!? 何そのでたらめな魔力は!! ていうか、わたしって魔法が使えるの!?」
思わずツッコミを入れてしまうようなプロフィールにわたしは開いた口が塞がらない!!
ええ!? えええ!?
いきなり訳の分からない世界に来て、いきなり訳の分からない魔法が使えて、その上聖属性の魔力が∞《無限大》だなんて言われても混乱するだけなんですけど!?
わたしことアキは、突然異世界に転移した挙句、聖属性魔力が無限大というとんでもないチートスキルを持たされたのだった。
異世界転移したら聖属性魔力が無限大でした @minamo34
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