言葉通りの意味じゃない。
目に見えるものが、すべてではない。
その奥には、いつも祈りがある。
それは、星に似ている。
星はいつもそこにある。たとえ目には見えなくても、そこに在り続けている。静かな祈りのように。
どれだけ豊かな知識も、そこから何を受け取るかは、人それぞれ。
観測の仕方、心の向きによって、浮かび上がる像はまるで違って見える。
科学もまた、一つの見方――中心を据え、そこから世界を映し出す、人々の「祈り」のようなものかもしれません。
この作品には、世界を新しい角度から見ることの尊さと、それを誰かと分かち合うことの温かさが描かれていると感じました。
それはきっと、人が共に生きる上で、最も本質的なことかもしれず。
人は、大人になるほどに誰かの価値観に、仕組みに、物差しに合わせて生きねばならなくなります。
日々擦り切れ、すれ違い、そして、気づかぬうちに傷んでいく。
それは、彗星に似ている。光を纏いながらも、塵を撒き散らして進む旅路に。
でも、ふと小さな窓の外に目を移せば、世界はもっと広い。
その広さを、見せてくれる誰かがいる。
そして、こうも願ってしまう。
「あなたが見ている世界を、そっと見せてほしい。わたしも、あなたに、見せるから」
リス様の物語には、いつもその眼差しを感じます。
やさしく、しなやかで、すこし哀しく、それでも、希望が灯っている。
それこそは、物語そのものなのだと、思わせていただきました。