第2話、この世界について

俺は溜息を付きながら帰宅していた、先程にも話したかもしれないが俺は前世の記憶を持っているのだ。


前世はこことは少しばかり違う現代であり社会人として立派な社畜として頑張っていたのだけどある日に急に視界が暗くなって気がつくと幼い子供になっていたのだ。


これが転生というやつなのかと思っていたが俺は特にチートな力とか貰っていないし女神様とか出会っていないからどんな感じになるのだろうと思いながら幼少期を過ごしていた。


成長に連れて色々と情報など手に入りこの世界のことが分かってきた。どうやらこの世界は江戸時代中期までは元の世界と同じ歴史を辿っていたが中期に突如襲ったウィルスが大きな分岐点となった。


恐らくであるが江戸時代中期に起きた富士山の噴火の代わりにこのような災害が発生したのであろうと推測している。


そしてどうやらそのウィルスに感染した男性は耐えきれずに多くが亡くなりその代わりに女性が感染したら信じられないぐらいに美貌が良くなり一気にこの時に女性の顔の偏差値が上がったと言うのだ。


けれども肝心な男性が少なくなり女性たちは奪い合いに発展までするようになった。


その過程で男性は内面側になってきて一方、女性のほうが性欲が強くなり今の状態となった土台が作り出されたというのだ。


なるほどねと思いながら歴史の本を見ていた、そこからはやはり元の歴史とは違うのでまた新しいことだとして楽しく学んでいた。


元々歴史オタクであったので何にも苦労なく覚える事ができた。最終的に変わっている点として。



・原爆が広島だけ投下されている。

・前世よりも比較的に街が残された状態であった。

・沖縄戦が前世よりも更に激しいものになっている。

・前世よりも北方領土が半分だけ帰ってきている。



そんな点かな、後は概ね同じような感じだな。アメリカに負けてから復興して立派な国になったのだけど人口問題が最大の問題になっている。


人口が少ないとしてロシア人が多くの土地を買っていたりとして問題にもなっているがこちらとしてはそのおかげでロシア系美少女がいるので何も言えないけど。


そのおかけで政府は困っているらしいがロシアも人口不足に北国という点で住みやすい場所を確保したいのであろうなと意図が分かる。



ついでに日本の総人口はこの世界だと8100万人で思っているよりも少ないと言うか世界的にも少ないのが真実であるが。


そして男性は日本には約100万人しかいないと言われている。


100万人と聞くと多いように聞こえるけど女性は8000万人だと思うと少ないのだ。


日本ではと言うより世界的に重婚が認められており男性一人につき10人までの女性と結婚できるのだ。



まあ、実際に十人まで結婚する男性はいないらしいけど。ともかくこの世界はかなり男性に優しい世界と言える。


教育費も待遇も女性と比べ物にならないほどによく普通ならば問題はないはずなのに・・・そんな世界で生まれてきたのにここまで追い込まれるのはある意味凄くない?


成績も良くて出席も毎日して色々と手伝っていたりとして優秀かどうかは別として普通ならば退学処分とか無縁なはずなのにこうして退学処分が近づくと恐怖を感じる。



それにしても家族にはなんと伝えたほうが良いのかと悩んでいた。


もし伝えてしまったら色々と大変なことになりそうだけど学園のことを話さないのは良くないよなと考えて俺は仕方がなく話すことにしようと決めた。



けれどもこれを話したら後々大変になるだろうなと思いながら家に帰った。


家に帰るとすぐに玄関の音に気がついた妹が嫌嫌そうにして近付いてきた。


「クソ兄貴、お帰り。どうしたの、何か元気がなさそうに見えるけど嫌なことでも遭ったの?もしかして・・・遂に退学処分されとか!」


そう言って妹が最後はとても嬉しそうな表情をして話していたけど人の不幸を喜ぶなと言うと妹がクソ兄貴に対しは問題無しと言って笑っていた。


この通りに妹との関係も最悪であり理想している兄大好きな妹など存在していなかった。本当にこんな世界に転生したのだからそれぐらいはあっても良かったのではないかと思いたいけど残念なことにこれが現実だった。


ともかく今の現状を伝えておきたいけど普通に嫌な予感がするなと思いながら自分は家の中に入るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る