①未来

あれから、家に着いてからもずっと考えていた。

モヤモヤしたままお風呂に入ったり、夜ご飯をテキトーに済ませてテレビをみたりした。

でも全然集中できない。

腹が立って仕方がない。

時間が経ってもおさまらない。

ただ、夜になるにつれ少しは頭が冷えたのか、あの別れ方は良くなかったと思えてきた。

僕はひとまわりも年下の女性に、あまりにも大人気ない態度を取ってしまったんじゃないだろうか?

今頃泣いていたらどうしようという心配する気持ちと、逆に反省して泣いてればいいという気持ちがせめぎ合う。

いや…だめだ、後者は。

こっちが折れないと。

年上なんだから…。


僕は寝室へ向かうとベッドに放置していたスマホを手に取って画面を見た。

愛ちゃんからの着信や、メールがたくさんきていた。


″怒らせてごめんなさい。悪いところは直すから許してください″


″娘ちゃんから下の子が欲しいって言われたなんて重い話を聞かせてごめんなさい。宏の負担になりたくないから絶対そんなこと望まないので安心してください″


″別れたいなんて言わないでね?ごめんなさい″


″これからお姉ちゃんに来てもらうから娘ちゃんが寝たら、宏の家まで会いに行く″


″ちゃんと会って目を見て話したい″


僕はなんてことを言わせてるんだ…。

違う、負担になっていいんだよ愛ちゃん。

いや、むしろそうしてほしい。

僕を困らせるくらいのわがままを、″これから″をほしい。


″なんで籍抜いて俺のとこにこいっていってくれないの″


と言った、あの時のような執着を見せて欲しい。


『ごめんね。愛ちゃん家の下まで行くから娘ちゃんが寝たら、降りてきてくれる?車の中で話そう』


急いでそうメールを打って、上着を羽織ると家を出た。


悲しませて申し訳ないのに、嬉しいと思ってしまう。

可哀想なはずなのに、可愛いと思ってしまう。

娘が最優先な愛ちゃんが、娘が起きてる時間に何度も電話をかけてきてくれていた。

会いにくると言ってくれた。

もうそれだけで十分だった。

愛ちゃんは愛ちゃんなりに僕のことを考えてくれていて、この関係を終わらせたくないと言ってくれた。

僕がしっかりしないといけないのに、恋人失格だ。

かっこ悪くてもいいから、ちゃんと自分の想いを話そう。



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