②
「あのね、まるでロミオがジュリエットにロマンな愛の詩を送ったみたいに…元旦那から届く勘違いで痛いポエム口調の復縁メールのことを、そう言うんだよ…ぷっ…あは…ごめん、まだ笑える。」
きっと一晩中笑ってられる。
こんな愉快なやつだったんだ。
「…そんなバカにしてないけど私は…。」
性格のいい愛ちゃんが、僕を諌めるようにそう言った。
ああ、だめだ嫌われちゃう。
笑いを堪えないと。
「愛ちゃんは優しいね。返信が
″やり直すことは二度とないし娘ちゃんもわたしも幸せなので連絡して来ないでください″
だもんね。
(無駄に傷つけなくて)えらいね。
ちゃんと断れたね。」
「当たり前でしょ!?私にはおじさんがいるんだし…」
おじさんか…
一応僕たちは恋人なんだよね?
なんかずっとおじさんって呼ばれてるけど。
これ、変わることはないのかな。
「あのさ、僕の下の名前知ってる?」
「へ?」
急に話が変わったことに、愛ちゃんがキョトンとした表情で僕を見た。
「宏…さんだよね」
「そう。できればそう呼ばれたいかな。もうおじさんを卒業してほしいんだけど」
「あっ…」
「まあ、パパ活という設定がいいのならそれでもいいけどね」
「なっ!そんなわけないでしょ!?私はそんなことしない!!!」
真っ赤になって否定する愛ちゃんが、可愛くておもしろい。
「ってごめん…私が悪いね…。ずっとおじさんって呼んじゃってたからだよね…。えっと、呼び捨てはなんか言いにくいから…ヒロポンってどうかな?」
「は?」
やっぱり、愛ちゃんは愛ちゃんだ。
ヒロポンが何かも、知らないんだろうなあ…。
歴史ももしかして、苦手なのかなあ笑
「40でヒロポンはちょっとなあ…」
「私はいいと思うんだけど…」
そんな真面目な顔で言わないでほしい。
また笑ってしまいそうだ。
「呼び捨てが無理なら宏さんでいいです。」
「え〜?それってなんか距離を感じる…」
どこがだ?
どういう思考回路でそうなるんだ?
だけど、本当にアホなのは自分な気がする。
この天然な愛ちゃんが、可愛いと感じてしまうんだから。
「次おじさんとか、ヒロポンって読んだら罰ゲームね。」
「え?何罰って!嫌なんだけど!何するの?」
「別に、間違えなければいいだけだよ。気にしないで」
「まっ間違えないけど!内容教えてよ!気になるよ」
ソファーの隣に座っていた愛ちゃんが、不安そうに僕の太ももに手を乗せて身を乗り出してきた。
僕は両脇の下に手を入れて持ち上げると自分の膝の上に対面する形で愛ちゃんを座らせた。
「抱っことかハグ禁止かな」
「えっ!?」
愛ちゃんの表情が益々曇った。
そんな困らなくても、可愛いんだから僕以外にも愛ちゃんを抱きしめたい男はいるはずなのになあ。
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