裁人
爆発音が鳴った。
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「どうなっている…」
レイブはテレビから流れるニュースを見ながら唖然としていた。
「一昨日、西部最大都市「バスル」がミサイル攻撃にあい、少なくとも現在1万人を超える人々が死亡、二千人が行方不明です。この攻撃にあい、防衛政府・臨時防衛大臣による緊急会見によると、中立国軍だったはずのエルディレウが突如アニス国境付近の迎撃レーダーを破壊した模様と発表されました。また、同日深夜頃発生した巻飛研究所職員全殺事件の情報は今現在もわかっていません。政府はこの事件に関する情報を提供した者には約1900万円の賞金がかかっています。詳しくは03-326…」
なぜあそこを狙うのかが疑問で仕方がなかった。
*
「これから研究所内の第3捜索へ移る。生存者がいる場合は直ちにその者の安全を確保せよ」
「了解。」
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「突入するぞ」
入いる前から分かっていた。
研究所内は血痕、弾丸など酷いものだった。物は倒れ電灯がチカチカと点滅している。そして何かに噛み飛ばされたような乾燥し、上半身が無くなった研究職員の死体。
まるで生き物が入ったようだった。
「監視カメラのデータはあるか?」
「破損してはいますが、一応」その時だった
うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
生存者はほぼいないと考えられていた研究所試験場から誰かの悲鳴と銃声音が鳴った。
「ワレス・ザルはここに待機。他は私に」
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来る時には遅かった。
一人の職員が無惨な姿でフェンスに乗っかっていた。いや、
"干されていた"
明らかに人工的な人間などの手足が器用な生物にしかできない代物だった。血は一滴も垂れずに乾燥した状態だった。先ほど叫んでいたとは考えられないほどに。
「これは一体…?」
「分からない、しかし生存者がいたことだけは確かだ。まだ居るかもしれない生存者を見つけ出すぞ」
「ですが、それですと監視カメラは?」
「それはワレス達に私から無線をかけておく。良いことにあちらはゲート側だからすぐ逃げられるだろう」
「了解」
*
「こちらザル、監視カメラのデータを確認しました、データ送し…」
ジャアァァァアァァアアァァァア
ゲート側からだった。無線にもその音が入っていた。はっきり
「ザル待て!!あれは生級だ!!!生級がいます!!!!今すぐ応援にきてくだ」
「至急ゲート側に戻る!一人たりとも遅れるな!」
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「これは…」
ザルとワレスらしき死体があった。そして、生級の死骸も。
「昨日の一部隊喪失事故って、こいつらのせいだったってことか?」
全員落ち着けなかった。しかしラルゴが口を開く。
「まて、なぜ生級が1匹死んでいる?1匹死んでいるなら、どちらかは生きているはずだ。しかも最初に生存者らしき者が見つかったのは試験場側。試験場とゲート側を繋ぐ道は連絡路一つのみだ」
「つまり何が言いたい」
「もう全員勘付いてるだろ!生級は一体じゃない!!!!」震え声だった。
隊員が2名も死亡し精神的ダメージが大く、これ以上捜索はできないに等しかった。
その時、突如無線が鳴り出した。
「第3捜索を行っている部隊へ、巻飛研究所は破壊が決定した。繰り返す、巻飛研究所は破壊が決定した。直ちに引き返せ。以上」
*
ルイ亜圏*ゲレス* @Donkan091
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