魅力的な世界観と登場人物に嵌まること間違いなし。おすすめの1作です!
- ★★★ Excellent!!!
土の世界に現れた使徒が手にした鍵で7つの属性の扉を開き、異界から流れ込んだ力は世界を豊かにしていった。使徒は人間に「鍵」を配り、やがてその「鍵」を持った人々は貴族となり、この国を率いていく。(本作より一部抜粋)
本作はそんな「鍵」の存在が特徴的な異世界ファンタジーです。
主人公の少女ロッテも「鍵持ち」ですが、この世界では貴族しか持ち得ないその能力を有しているはずの彼女は、なぜか屋敷の地下に幽閉されていて……。
魔法師団の団長ギュンターや副官のフーベルトたちによって無事に救出されたロッテは、自身の持つ「鍵」の能力ゆえに「抱きつき魔令嬢」と揶揄されてしまうことに。それでも自分に居場所をくれたギュンターたちの優しさに触れ、ロッテは少しずつ自分の生きる道を見つけていく。
魅力的なのはその「鍵」の設定に加えて、多彩なキャラクターたちです!
主人公のロッテ、ヒーローのギュンターは言わずもがな。副官フーベルトも加えた三角関係も見所のひとつ。三角関係といってもドロドロしたり相手を貶めるような内容にはならないので、そういうのが苦手な方もご安心を。この三角関係では主にフーベルトの不憫可愛い姿を堪能して下さい。かわいそ可愛い。
好きな女性と尊敬する上官の間で揺れ動く副官の立場…せつないのに読み手としてはとてもおいしい箇所だったりします。ラスト付近ではギュンターとフーベルトの、皆まで語らない意思の疎通が何とも言えずグッときました。
女性陣もライバル的存在の令嬢もいれば、ロッテと違って溺愛されていた妹も登場し、流行をしっかり取り入れて練られた物語。なのでざまぁ展開がお好きな方にはおすすめの一作です。
イケメン好きの私としては、能力ゆえに仕方ないとはいえ、イケメンと合法的に抱き合えるのはうらやまし……ゲフンゲフン……とてもおもしろい作品でした!