高齢出産ですが二人目なので甘く見てたら子供がNICUに入院しました

みとしろ

第1話 子供が欲しくなりました。

41歳の時に不妊治療を経て第一子を出産した。

凍結胚がもう一つ残っていたので年齢の事を考えて、なるべく早い段階で戻そうと考えていた。

結婚は26歳と早かったが自分自身、お酒好きで仕事人間という事もあり子供はそこまで欲しくなかった。

「子供いないの?」

「子供は可愛いよー。」

周りから呪文の様に繰り返されていたが気にすることもなく、猫と旦那と気ままな生活を送っていた。


そんな自分の考えが変わったのがコロナ渦だ。デパートに勤務していたのでコロナの影響は直撃し長時間勤務だった生活は自粛生活に入り、急に暇になってしまった。


今までの生活が急に一変したことで私にある心境の変化が訪れた。


「マジで子供が欲しい。」


それまでも基礎体温を測り排卵日を予測して、自己流で妊活はやっていたが全くダメで妊娠検査薬を試してはガッカリする日々が続いた。


コロナ渦で一人で考える時間が出来たからなのか、年齢の事もあり不妊治療を考える様になった。ネットで調べると卵管造影後のタイミング法は妊娠しやすいという記事を読み、早速クリニックを探した。

1番目に受診したクリニックが本当にとんでもない所でうんざりしてしまった。まあ、家から近いからと安易な理由で、よく調べもせずに決めてしまった自分が悪いのだが。

どんよりと暗い院内で混んでる訳でもないのに2時間以上待たされ、目が飛び出る程の高額な医療費。高齢の先生は高圧的で私には合わなかった。この病院選びの反省を生かし、次の病院は家から多少、遠くても口コミがいい所を選んだ。それに病院の受診のシステムも仕事をしている自分のライフスタイルに合っていた。


そしてその病院との出会いが私の人生を大きく変える事になった。

病院内は明るく清潔で、ニコニコと優しい受付のお姉さん達。先生も物静かな女医さんで、1件目の病院選びの失敗が消えて行った。


ただ年齢が40歳と高齢に当たる為、卵管造影後のタイミング法、人工授精も上手くは行かず、妊娠には至らなかった。

人工授精を2回失敗した所で、先生からの提案があった。

「年齢的に次のステップへ進む方がいいと思います。」

とテキパキと資料を用意して渡された。

その時に旦那と話し合ったが、旦那は

「そこまでしなくてもいいんじゃなか。」

という答えだったが私は一度乗りかかった船、もう後戻りはしたくなかった。旦那を説得し、不妊治療に専念する為に、思い切ってデパートを退職した。


けれどまだその時は不妊治療は自費だったので、少しでも稼がないといけないと思いスーパーのレジ打ちのパートに入った。








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