月と影
蓮見藍菜
影である私
気がついたら辺りは真っ暗だった。
何もない場所で1人だった。
「ここは……どこ?」
目がなれると
ここは部屋らしく
光源なんてものはないらしい。
「何でここに……?」
ふと昔の記憶が蘇る
遠い昔に見ていたものだ
『楽しそうな光景』は
どこかキラキラしてて
夫婦なのか
兄弟姉妹なのか
彼氏彼女なのか
友達なのか
当時の私からしたら
『羨ましい』とか
『微笑ましい』とか
思っていたのかもしれない
でも……今はどうも思わない。
全部の感情も起こらない。
私は……廃人化して
『誰にも存在を認めてくれない存在』
そうなったかもしれない。
いや、きっとそうだ。
私の知らないひとだったものが
『闇へと突き落とした』
暗い暗い闇の中に閉じ込められた私は
『誰かに認めて欲しかった』はずで
『誰かに見つけて欲しかった』はず
ドアらしきものはあるけれど
自力で出ようとは思えなかった。
いつ光が差し込むか分からない。
この部屋の中で
ずっとずっと待っていようと思う。
光になってくれる貴方が
いつかこの扉を開けてくれると
私は信じることにした。
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