ワタシと世界とこれからと
meoow555
第1話 はじまりの国
私は”はじまりの国”で生まれた。
この世界にはじまりの国は4つあり、東西南北それぞれに1つづつある。
私の生まれたはじまりの国は北のはじまりの国である。
このそれぞれのはじまりの国の間には12個の国があり、その12個の国の先に次のはじまりの国がある。
そうして大きな一つの丸い円になっているそうだ。
15歳になったら他の国に行く権利を与えられる
私は明日15歳になる。
私の母は全ての国をめぐり、そうして私のうまれた北のはじまりの国に住むことを決めたそうだ。
父とは主人公の国で出会い、父は母と一緒にいるために北のはじまりの国までついてきたそうだ。
小さい頃に母に旅の話をよく聞かせてもらったが、
立ち寄った国がどんな国だったかの話はしてくれなかった。
なぜ母が立ち寄った国の話をしてくれないのか、小さい頃に一度だけ聴いたことがあった。
そのとき母から返ってきた返事は
「だって、知っちゃったら面白くないじゃない」
だった。
私はそんなことない、教えてほしい
と駄々をこねたが
「どういう国だったかを話してしまうと、お母さんつい話すぎちゃうから、それがあなたの基準になってその国の答えになってしまうのが嫌なのよ
お母さんはあなたがその国がどんな国だったのかを、自分で感じとって欲しいの」
母はそのかわりと言わんばかりに国と国の間の道中で体験した
お腹が空きすぎて食べちゃいけない木の実をお腹いっぱい食べ
しばらく死にかけた話しや、たくさん洋服を持っていったけどそのほとんどが邪魔になって途中で捨てたことなど、旅の知恵をたくさん聞かせてもらった。
母のように全ての国を回る人はそう多くないそうで、
大体の人が旅の途中で自分の居場所をみつけるらしい。
父は旅には出ず、自分の生まれ育った主人公の国で母に出会い、
自分の居場所は母のいる場所だと勝手についてきたそう。
「お母さん、私はお母さんのように全ての国を回って自分の居場所を見つけたいと思っているんだ。
でも、もしかしたら他の人のように途中で居場所が見つかって全ての国を回らずに終わるのかもしれない。
そうしたら、お母さんが行って私が行かなかった国のことは一生知ることができないのかな?」
母は少し考えた後
「そうね、それもまた一つの選択ね」
と楽しそうに答えた。
母から聞いていたので洋服はお気に入りの洋服を厳選しリュックに詰めた。私は明日から始まる旅にとてもワクワクしながら眠りについた。
つづく
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