第4話 『巨神姫戦記』が好きという話
こんにちは、真野てんです。
どんな作品ともネタ被りしたくない、というのは創作家の誰しもが夢見る理想のひとつだと思います。とくに私のような世界観ありきの人間にとっては至上命題みたいなもんです。
ここ数年、自身の創作意欲の低下に伴い、それなりにインプットも続けてきましたが、これは思いつかんかったという作品がいくつかあります。
そのひとつが、きしだしき先生の『巨神姫戦記』という漫画です。バンチコミックスから全三巻が刊行されており、電子版はレーベルサイトをはじめ、ピッコマとかでも読めますので、よろしかったらどうぞ。
ストーリーとしては、復讐劇に類するものなのですが、まずもって圧倒されたのはその世界観です。かつて人と神が共に生き、襲い来る魔獣と戦っていた時代。神代をモデルとした古代日本を彷彿とさせる世界で、神さまとひとが共存している。
しかもその神さまっていうのがガンダムくらいのデカさがあって、ホワイトベースみたいな浮遊艦を巫(むら)として暮らしている。もちろん大地に根付いた居住地もあるのだが、各神さまを封じた村々が、世界を移動して魔獣を倒しながら暮らしている。
神さまの使うものはすべて人間が手作りし、神さまは魔獣から人々を守って生活している。
なかでも武器である剣を打つ職人(てひと)のひとりが主人公のツチマルであり、個人的な恨みへの復讐を遂げるため、まだ自分の巫を持っていない神・ホムラヒメと放浪の旅を続けている。
このコンセプトにやられました。
それと同時にメインストリームにはなり得ないなとも思ってました。全三巻で完結というのがそれを物語っています(言い方
ホムラヒメさまがデカくてかわいいってのもあるんですが、主人公のツチマルと並び立つ関係性ってのがまた読んでて微笑ましい。最終話でちゃんとふたりは自分たちの巫(むら)を持つことになり、忙しい毎日が始まるんだなというところで終わりました。できればもう少しこの世界観を堪能したかったなと思います。
やっぱりウルトラマンにせよ、戦隊もののロボパートにせよ、巨大なもの同士の戦闘っていいなと改めて思ったし、自分の中の本質的な部分のどこかで、それをやりたいなと思っているのを再確認したというか何というか。
やっぱりダンバインみたいなヤツ書きたいんだな、きっと。
また古代日本という舞台設定も良かった。
いろいろとトンデモな世界観ではあったんだけど、それらをうまく吸収していて、自分的にはなんら違和感がなかった。
異世界転移モノが隆盛を極め、新しいファンタジー作品を、と叫ばれてもう何年くらい経つのか分からないけれど、間違いなく、ほかのどこにも属さない新しいファンタジーの地平を切り開いた作品であると言えると思う。
そしてスタンダードから外れた作品って、面白くても言うほど評価されないんだなということもよく分かる。
願わくば、次なる作品こそ、メジャー志向で(ぁ
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