楽しく読めるドタバタ・コメディです。
一文一文に無駄のないショートストーリーのため、ネタバレせずに紹介することが非常に困難なのですが、それでも、この作品を紹介したい!
手順① まず、「チョコレートを食べると……」を読む
手順② 次に、本篇「ホワイト・デーのお返しを」を読む
手順③ 放心する
「続編はつまらない」、「続編の方がおもしろかった」……など、映画などで続編が作られた場合、評価が揺れがちですが、こちら、ふたつの作品には、それが当てはまりません。
「チョコレートを食べると……」が、あるからこそ、「ホワイト・デーのお返しを」が響き、「ホワイト」が語られたからこそ、「チョコレート」がより活きる。
相乗効果。
「ホワイト・デーのお返しを」は、ラストシーンがとても良いのです。
ぜひ、「チョコレートを食べると……」を経て、「ホワイト・デーのお返しを」のラストシーンを味わっていただきたいです。
童話風の短編の名手、ファラドゥンガさんが「9回目の夢」のお題で書いた作品です。
わたくしは、このコンテストに参加せず、沢山の作家さんの作品を読ませて頂きましたが、この作品はかなり抜きんでてお題をうまくとらえているように思いました。
ストーリーは、「不思議の国のアリス」と「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたようですが、特にパクリ感もなく、、いや、あるか、、あるけど面白いから、すっと没頭できる出来栄えでございました。正確にはオマージュというべきか。
7歳の有栖ちゃんが、8回目まで見た夢のキャラクターたちが、9回目を見てくれないものだから消滅の危機に瀕し、夢の汽車に乗って、別の夢に脱出するというお話です。それは夢の世界では重罪で、捕まって「怪しいものは即打ち首」wという悲惨な裁判に臨んだ時、意外で素敵なクライマックスが訪れ、そして最大の謎が明かされます。
とにかく出てくるキャラがみな活き活きと魅力的で、読んでて楽しいです。
わたくしの大好きなお話でした。
ぜひ、第1作の「チョコレートを食べると……」と合わせてお読みください。