星の牧場
まさか からだ
第1話 星の牧場へようこそ
澄みきった青空に、白い雲がゆっくりと流れる。ここは星の牧場。天空の国の片隅に広がるこの牧場では、夜空の星々の加護を受けた特別な生き物たち──星獣(スタービースト)が育てられている。
朝日が地平線の向こうから顔を出し、輝く草原に黄金色の光を落とす。空に浮かぶ小さな島々には、青々とした草が生い茂り、星の粒のようにきらめく花々が咲いている。その風景の中心に、広々とした木造の牧場があった。
「おはよう、みんな!」
牧場主のアストラは、朝の光を浴びながら大きく伸びをする。彼はまだ若いが、この牧場を引き継いでからずっと星獣たちの世話をしてきた。今日も彼の一日は、星獣たちの世話から始まる。
「モー!」
低く響く声が聞こえてきた。草原の中央に立っているのは、牡牛座の星獣「トーラス」。力強い体躯を持ち、全身が淡い金色の輝きを放っている。トーラスは癒しの力と強靭な筋力を持つ星獣で、牧場の守護者のような存在だ。
アストラはトーラスの額を優しく撫でると、次にペガサスの姿をした星獣「サジタリウス」や、火の鳥のような「レオ」といった仲間たちの様子を見に行く。彼らはそれぞれの星座の力を持ち、この牧場でのびのびと暮らしていた。
アストラの仕事は、ただ星獣たちの世話をするだけではない。彼らの力を理解し、成長を見守り、時には訓練をしながら、空の国と地上の国の均衡を保つ役割を担っている。
「さて、今日もいい天気だ。みんなの世話を終えたら、星の畑の手入れをしないとな。」
アストラが牧場の仕事に取りかかろうとしたそのとき──
空から、一筋の光が流れた。
それは、まるで流れ星のように、ゆっくりと降りてくる。だが、よく見ると光の中に何かがある。
アストラは思わず手をかざしながら、その光が草原に落ちるのを見つめていた。
──ここから、彼の運命が大きく変わることになる。
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