ErrorHeros
桜最中
死の狭間
ヒーローは嫌いだ。
テレビや漫画の中では輝いていて、それでも現実には何も影響がない。フィクションにそんなものを求めるのも違うのだろうが幼き頃からそうだったもので簡単には変えられない。自分の周りは常にそうだった。人の命は軽く、信用というものは全くない。そんななかで解決してくれるものはすべて時間しかなかった。僕はそんな現実から目をそむけるために寝るばかりだ。夢は良かったのだ。夢はすべて忘れさせてくれた。明晰夢と言うのかな、どうでもいいけど。それに寝ていれば腹も減らないし多くの食料を得られた日には保存が効くように加工してから寝るだけだった。
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ある夜事件は起こった。何時かもわからないただ言えることは深夜だったことは確かだ。
雷を越える轟音に感じられた。それと同時に銅色の一閃が見えたような気もする。それは月明かりによって不気味に、そして人には何もできないような神秘性まで感じられた。銃と言われるのだろうか。開発から数百年戦の最前線の兵器だと聞いた。小一時間はその兵器の轟音は響いた。最後の一発が自分に当たったのだ痛みが広がった。雷のように感じられる。痛い・熱いと言う感覚が脳を支配する。冷静になったときには死の恐怖にが大きくなった。こういうときは寝ると死ぬんだ。いつもはいつか来る死のために生きるくせにこんなときには生を望む、人は勝手なんだな。向こうの空が明るいなもう朝なのかな。何時間たったんだろうか、それとも数分なのだろうか。赤い光がまばらに見える。白黒が遠くに見える。警察なんて久々に見たな。僕の記憶はここで途切れた。死んだのかそれともさ迷うのか、自分が一番わからなかった。
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目を覚ました。白い天井だが病院ではない痛みは引いているむしろいつもより気分がよく腹もいつもより満たされた感じだった。その時右手に違和感を感じた。針が刺さっている。針の先にはチューブが刺さっておりその先には液体が落ちている。点滴と言うやつかな、いつもとなりに座ってるじいさんが若いときに受けたった行ってたっけとか思っているとふと思い出したように射たれたところを見る。傷がない。それどころか今までついていた古傷までなくなっている。人がいる、誰だろうか、誰でもいいがとりあえずお礼をしなければならないが、からだが動かせない。
「やっと起きたかい。」
その人がしゃべった。その人は若いとは言えないがおじさんと言うには若すぎるなんとも言えない年齢だと感じた。
「君は病院を使うことができないからね。今後怪我をしたときはここに来るように頼むよ。おっと、個々が何処かわからないって顔してるな。ここは何処でもない場所さ。生と死を分ける狭間みたいなもんだがここではすべての傷を直すことができる。君以外はここに来ることも出来ず死んでしまったよ。銃乱射事件、死者37人、重体1人、そして犯人なんだが捕まってないのさ。」
死の狭間
それだけが疑問である。それは研究機関なのか本当に死の狭間なのか。
「君何歳だ。年齢も名前もわからないようじゃ調べることも不可能だからね。」
「銃乱射事件から2ヶ月と7日経ってなければ13才、名前は知らない。そもそもあるのかもわからない。」
「そうかなら14かな。わかった。それじゃあ俺の自己紹介でもするとしようか。聞きたければ聞いてくれ。俺は不死原一望って言うんだ、年齢は51だな。見た目のわりには歳いってるとか思ってるだろう。仕事はここで研究をしているのさ。最強の兵士を作るって研究を。」
「なるほどじゃあ僕はそのサンプルって訳だ。死んでも社会に影響がなく、かつまだ若いし取っている栄養のわりには肉もあり十分な資料になり得るのか。」
「そういうこと。死の狭間ってのは政府非公認の組織さ、ここではこんな風に人工の追加の内臓を入れることで人を強化するのさ。君は見たところすべてのものに拒絶反応が全く出てないから最高のモルモットになってるよ」
「もう入ってるのか。」
「いやまださ。筋肉の筋一本を抜き取って反応を調べさせてもらったよ。その結果君には上限なしで拒絶反応なしなんだからこんな理想的なサンプルのがせられないんだから起きるまで負担を懸けてはダメだからね。」
「だいたいわかった。お礼といってはなんだが自分の立場は理解している。なんでもいれてくれ。」
「君は最高だね。選ばせてあげるよ。今のラインナップはこんなところだよ。」
ベッドのしたから紙が出てきた。
「そこには普通、言えないものを隠すんじゃないのか。」
「俺は親がいるんだよ。こんな研究見せられるか。一応ここのベッドの下はある一定の手順を踏まなければ開かないがね。内臓はそこのベッドのしたから通じる地下空間にあるよ。じゃあいこうか。」
「わかった。僕は家を出るときどうやって出ればいいんだ。」
「ここから出ると近くの川の橋の下にでる。入るときはそこから入ってくれ。ここを生活空間としてくれてもいいが研究には触れるなよ。ちなみになんだがお前の役割は諜報や暗殺だ。」
「わかった。じゃあ改造してくれ。世界を破壊する改造人間か、面白いじゃないか。とりあえず筋力増強と視力強化、聴力強化、電撃耐性、温度耐性をたのむ。」
「改造するからそこに眠ってくれ。麻酔の調節は俺の作ったAIにでも頼むかね。失敗してもお前のもともとの再生能力があれば大丈夫だろ。」
「はっ、ふざけんなよ。この前死にかけたばっかりなのに。まあこれで人間を越えられるなら安いもんか。」
「いやこれで得られるのは成長性の幅を人類から逸脱させるだけだからトレーニングが必要だよ。五感強化以外はね。」
そこで僕の記憶はもう一度途切れた。
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