第4章:運命の導き

 森を抜けたエリオスは、開けた丘の上でひと息ついた。夜空は澄み渡り、星々がきらめいている。先ほどの闇の使者の襲撃を思い返しながら、彼は星の欠片を握りしめた。


 「俺を狙ってきた……いや、星の欠片を狙ってきたのか……」


 父が遺した言葉、長老の忠告、そして闇の存在。すべてが絡み合い、彼をこの旅へと駆り立てている。しかし、どうして星の欠片が狙われるのか、その理由がわからなかった。


 「答えを知るためには、進むしかない……」


 エリオスは星を見上げ、決意を新たにした。


 彼の目的地は、はるか東にあるという「星の王国の遺跡」。だが、そこへ至るにはいくつもの街や村を通らなければならない。


 まず目指すのは、ここから二日ほど歩いた場所にある商業都市ラズナだった。旅の資金も乏しく、装備も心許ない。そこで情報を集め、旅の準備を整える必要がある。


 夜が明け、朝日が森を照らし始める頃、エリオスは歩き始めた。

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