【短編】お後がよろしいようなので、次の話も楽しめますように

直三二郭

お後がよろしいようなので、次の話も楽しめますように

「お前さん、ダジャレが得意ってのは本当かい?」


「なんだい急に。まぁ得意ってわけじゃないけどね、思いついたらついつい言っちまうってのはあるかな?」


「じゃあさ、私が三つ言う言葉をちょっとやってみてはくれないかぃ?」


「急に言われて絶対にできるってわけじゃないんだけどね、そう言われたらやらないわけにはいかないねぇ」


「じゃあまずは小手調べに『布団』はどうだい?」


「それなら簡単だ、すぐできたよ」


「もうなのかい? すごいねぇ。じゃさ、言ってみせてくれよ」


「おうとも。え~『布団がふっと――」


「そいつはダメだよ、世界で一番有名なダジャレだ! 言ったら最後、もう何も言えない体になっちまうよ!?」


「そうなのかい? じゃあしょうがねえ、こっちで行くか。『布団を押し入れにしまったら疲れてね、自分で肩を揉んでいたんだよ。そしたら娘が笑いながら来てね、ふとん。そう言いながら俺の肩を叩いてくれたんだよ』」


「……お前さん、娘いたっけ?」


「知ってるだろ、おら独身だよ。わかりやすく話を作っただけじゃないか。で、今のはいいのかい?」


「ああ、今のなら問題無いよ。では続きまして『ダンス』」


「ダンスって、今は江戸時代っていう設定じゃなかったのかい? 全く。だからこんな話し方してるっていうのに。まあいいさね、ええ……。『ダンスの練習をしていて水を飲もうと思ったらこの辺りは、い(断水)していて水を飲めなかったんだよ』」


「お前さんだって何時代の人間だよ。でもまあダンスと断水、良いんじゃないの?」


「なんかあんたさ、偉そうじゃない?」


「気にしない気にしない、次が最後だ『天下無双』」


「天下無双って、できる訳ないでしょそんな言葉さ!」


「おやおや、ダジャレを作れば天下無双って言ってたのは、嘘だったんですかねえ?」


「そんな事一回も言った事はありませんよ。……『正体不明の天下無双の人の正体は山の寺に住んでる、(貂噛む僧)の事だったんだよ』」


「……って、何さ?」


「知らないの、動物の貂だよ」


「これはちょっと無理があるかなぁ」


「いいんだよ無理があっても。それより文字数が来ましたので、今宵はこれにて終わろうかと思います」

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