第12話 税関での出来事
最近税関職員が職務放棄をして困っていると署長から連絡があって状況の深刻さに気づいた。財務大臣に報告を上げる前にどうすればいいか頭を悩ませることになった。
関税局長として数年仕事をしてきたがこのポストは正直左遷の意味合いが強い。だから何だという話だが、リストラされるわけでもないし。国民生活に直結しているこの仕事は結構やりがいを感じていた。
今の状況になる前から公務員が厭世的になっていたり、ひどい場合将来に希望を持てなくなっていて自殺をするというのは報告に上がっていてどうすればいいか悩んでいたが今の状況になってそれがもっと深刻な意味を持つようになった。
公務員が仕事をボイコットし始める。特にいくら頑張っても総合職のように昇進できない一般職の人がだ、いや総合職にも職務を事実上放棄するような兆しが見え始めている。
しかし今のような情勢でも輸入の船は来る。これをどうにかしてさばかないといけない。公務の停廃をもたらし、国民全体の共同利益に重大な影響を与えることはなんとしても阻止しなくてはいけない。
公務員にも自由意志や人権はある。いままで雑に扱われてきたのはおかしいと思ってきたが公務なのだから仕方がないと思ってきた。
どうすればいい?勝手に荷物を税関を通さずに国内に運ぶ人たちもでてきた。もうだめかもしれない。
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