第2話
戒厳令が通達されて幾日か経過したある日、これまでの雇用慣習に不満を持っていたトラック運転手の一団がストライキを宣言した。
これによって生活必需品の輸送が滞り、首都圏は混乱した。小売店からは商品が消え略奪も各所で見られるようになった。同時多発的に起きた騒乱は警察の手に負えるものではなく陸自の各部隊に警察から治安維持のための措置が要請された。
指揮系統はまだ機能していた。警察庁長官から防衛大臣へ要請がなされ、略奪を行うものへの陸自による発砲が閣議決定によって許可されることになった。
総部隊の7割近くが首都圏に集結したものの総人員が13万人あまり。騒乱の広がりと規模には手が足りない。そうこうしているうちに一部の警察署が暴徒によって占拠されることになった。女性署員はレイプされ署の前に晒された。
これが決め手になり陸自の各部隊は自衛権を行使するために、治安をもとに戻すために発砲を躊躇することがなくなった。
新宿警察署の暴徒の集結に際しては第1師団の一部と第5機動隊の連携によって暴徒の排除に成功した。その際暴徒側に300人ほどの死者が確認され、一部の政治勢力による政府批判が加熱した。
ストライキは収まらず、治安も日に日に悪化していった。街で見かけた女性の後を追い押し込み強盗をするのが跡を絶たず悲鳴が街の各所で生まれていた。
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