恐怖!?黒い糸と天下無双の女!

健野屋文乃(たけのやふみの)

【赤い糸】は聞いたことがあるが【黒い糸】は何を意味するのだろう?

【赤い糸】は聞いたことがあるが【黒い糸】は何を意味するのだろう?


わたしは夢の中で、誰かと【黒い糸】で、繋がっていた。

その誰かはその【黒い糸】を使い、

「我は天下無双なり!」

と叫びながらわたしを追い回していた。

その執拗さに、わたしは心の奥の深い所で、強い恐怖を感じた。


嫌な汗にわたしは、目を覚ました。


「黒い糸って何?」


その誰かのせいで、わたしに疲労感はここ何日、消え去ることがない。


布団の中で、恋人と間に【赤い糸】を確認した。

わたしは安堵の吐息をして、

「愛してる」

と囁いたが、彼は深い眠りの中だ。

燃え上がる様な愛情を、心に感じた。


視覚的に赤い糸が見えた訳ではない。

感覚的に見えたのだ。


たまに、そう言うものが見える事がある。

ものすごーーーーーーく神経質になっている時とかだ。

細かい事が一々目に留まってしまう極地なのだろう


疲れてる。

もう少し休暇が欲しかったが、朝が来ると街に出かけた。


スタジオ内に、心地よいタップダンスの音が響いていた。

わたしの心の友たちが、ステップを踏んでいた。


わたしは心の友たちとの間に【青い糸】を、確認した。


今までの経験から【青い糸】は友情や信頼を現すらしい事が解った。

わたしは、信頼する友人たちと繋がっているのだろう。


わたしは疲労感を振り払うべく、タップダンスを踊った。

わたしは間違いなくリア充である事は間違いない。きっと。

そう信じたい。

レッスン後、心の友たちとフードコートへ向かった。


わたしは当然の様に、ステーキを食べることにした。

何故ならわたしは、肉食系リア充だからだ。きっと。


「「「「いただきます」」」」

間違いなくリア充の集団である我々は、とてもお行儀が良いのだ。


デミグラスソースの前に、わたしのテンションは上がった!


なのに、わたしの素肌が恐怖を感じた。

その恐怖の覇気が来る方角を見ると、黒いジーパンに黒のジージャンの女子が。


間違いなく夢に出てきた誰かだ!


おへそが出たTシャツには【天下無双】とか書かれており、彼女のおへそはまるで世界の中心かの様な覇気を放っていた。


わたしの身体は、その覇気に震えた。

さらに、わたしと彼女は【黒い糸】で繋がっていた。


「黒い糸って何?」

「黒い糸って何?」

「黒い糸って何?」


答えが出る間もなく、わたしの右手は反応してしまった。

ステーキナイフを持つ右手が、その【黒い糸】を斬ってしまった。

ステーキナイフで、その【黒い糸】は斬れたみたいだ。


心の奥で震えながら、わたしは彼女の目を見つめた。

しかし彼女は「あれ?」って表情をした後、クルリと回転して去って行った。


「どうしたの?」

心の友が聞いてきた。

「いや・・・別に」


わたしは今のところ【黒い糸】が、何なのかを確かめる気力はない。

ただ、あの天下無双女の目を見る限りは、その黒とは【野望】だろうとわたしは推測した。


きっと、あの女は天下を取るのだろう。


           

           完

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恐怖!?黒い糸と天下無双の女! 健野屋文乃(たけのやふみの) @ituki-siso

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