第31話
「なんで…あんたお見合いとかしなかったじゃん!」
「俺は暇だったからきただけ。あー、あと、面白そうだったから?」
面白そうって…こいつ本当に嫌なヤツ!
こいつは天下の一条(イチジョウ)グループの御曹司。
パパめ…一条の御曹司と結婚させてウチの会社の安定を狙ったのか。
昔からパーティーとかで偉央利とは何度も顔を合わせてるし同い年だけど、こいつは昔死んでしまった好きな人のことを忘れられなくてお見合いを全て断ってたはず。
なんで今更…?それに普通こういう場なんだからスーツとか着てくると思うけど制服だし。お見合いする気には全く見えない。
どういうつもりなんだろう。
偉央利をジッと見つめていたら、偉央利が笑い出した。
いや、どこに笑う要素が?
「お前わかり安すぎだろ。顔に出やすい奴はバカ正直って言うの知ってるか?」
「喧嘩売ってんの?」
「くくっ、…まぁいいや。焦らすのは好きじゃねーから聞くけど。ずっと好きな男いたのになんで今更見合いしようって思ったんだ?」
偉央利の言葉に咄嗟に視線をそらしてしまう。
なんでこいつが私の事情知ってんの?
あ、でもそっか。私が偉央利の事情を知ってるように偉央利も知ってるってことか。
噂って怖い。
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