第16話

「心臓が破裂したらカナちゃんのせいだからね」

「は?」

「ほら次行くよ!」


できるだけカナちゃんと目を合わせないようにカナちゃんより先に歩いていたら、後ろから腕を掴まれた。


「お前なぁ、迷子になっても知らねぇぞ?」

「ならないよ!私もう高校生だよ!?」

「はいはい。とりあえず迷子防止な」

「え?…えっ!?」


カナちゃんが隣に肩を並べたかと思ったら、私の手がカナちゃんの手に握られる。


動揺して固まっていたらカナちゃんがクスクスと笑った。


「手ぐらいガキの頃よく繋いでただろ?」

「だっ、て…今日のカナちゃん心臓に悪い」

「さっきから何言ってんのお前」


あーもう!この天然タラシめ!!


「なんもない!ほら、イルカのショーやるみたいだよ!行こ!」


カナちゃんの手を引っ張って歩く。


小さい頃は無条件で繋がれていた手も、いつの間にか繋がれなくなってた。


カナちゃんと手を繋ぐのなんて何年ぶりだろう?

ちょっと気を緩めたら嬉しくて泣き出してしまいそうだった。

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