第38話

「…莉子ちゃんは知りたいことがあって、そのためにあいつと付き合うことになった。だから君と離れる必要かあったんだ」



!!!



衝撃だった。



知りたいことのためにあんな奴と付き合っていたなんて。



「莉子ちゃんの知りたいことは知っているだろ?あいつは莉子ちゃんを利用したけど、莉子ちゃんもあいつを利用したんだ」





「あいつの目的は君と関係を持つこと。初めから直接君には無理だと考えて、君の大事な莉子ちゃんを相手にした。莉子ちゃんは別れたふりをすることもできただろうけど、君の態度に出てしまうと思ったんだろうね」



「それに何か嫌がらせのための小道具もあったようだし…」と言う榎本。



やはり莉子は俺を守るためにあの時離れることを選ぶしかなかったんだ。



「やっぱり俺が原因なんじゃないか。俺があいつと関わらなければ、莉子とあいつは繋がらなかった」



偶然とはいえ、あいつを助けなければ…



あまりに悔しくて握る拳が震える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る