秋は夕暮れ
第22話 大学生の夏休みは長い
美三『はぁ…長かった夏休みもとうとう終わりですね…』
雄二「ホントだね…その長かった夏休み中、誕生日以降はうちにほぼ入り浸りだったけど…」
美三『し、仕方ないじゃないですか⁈一条先輩からもらったゲーム、今でも品切れ中なんですよ?どうにか探し出しても転売のアホみたいに高いのしか無いですし…そしたら優しい後輩思いの先輩に頼るしかないでしょう?』
雄二「…まぁ、おかげでコンビプレイは大分上達したよね」
美三『それは間違いないですね♪この前一条先輩と四穂梨さんが来た時、2人でそれぞれペアになって対戦したら「はぁ⁈お前ら上手くなり過ぎだろ?どんだけプレイしてるんだよ…」なんて言われましたもんね(笑)』
夏休みの最終日、美三は今日も雄二の家に遊びに来ていた。具体的な進展は無かったものの、お互いの距離感という意味では縮まっているようだ。
美三『それにしても大学生の夏休みって長いんですね…他の大学もこんなもんなんですか?』
雄二「多少差はあるみたいだけど、大体は1ヶ月半から2ヶ月間ぐらいみたいだね」
美三『入学してまだ半年ぐらいですけど、大学生活がモラトリアムのようなもの、って言われるのもなんとなく理解出来ました』
雄二「あはは…どうしてもそれは感じちゃうよね」
美三『まぁ私としては仲の良い先輩と遊び倒せたので楽しかったですけど♪先輩はこんなに入り浸っちゃって、実は迷惑だった…とかではないですよね…?』
雄二「う、うん。そんな事はないよ。僕も凄く楽しかったし」
美三『ふふっ、だったら良かったです♪あ、もう結構いい時間ですね…最後に1プレイしてから帰ります!』
雄二「はいはい、お供します」
すっかり2人でゲームをするのが当たり前になっていた。しかし雄二としては心配な事もある。
雄二「そう言えば今更なんだけど…僕としてはうちに来るのは全然問題ないよ。ただ美三ちゃん的に大丈夫なのかな、って」
美三『はい、そこまで遅い時間に帰らなければ特に問題無いです!遅くなる時も連絡しておけば大丈夫ですしね』
雄二「あー…いや、そういう事じゃなくてね?一応僕も男だしさ…女の子1人で男の部屋に来るのって危ないかもとか思わないの?」
美三『うーん、こんな風に遊ぶのって雄二先輩だけですしね。ん…?あっ、も、もしかして…先輩?』
雄二「(き、気付かれた?)な、なんだい?」
美三『もしかして…先輩って、ロリコン?』
雄二「…………え?」
美三『だって私みたいなチンチクリンにもし我慢出来ない…!ってなるとしたら、そうなのかな?って。友達からも合法ロリとか言われた事があって、失礼ですよね⁈その通りですけども!』
雄二「ろ、ロリコンじゃないよ!」
美三『そうなんですか?私はてっきり…あ⁈話してたらやられちゃってました💦それじゃあそろそろ帰りますね?』
雄二「え、駅まで送って行こうか?」
美三『相変わらず紳士ですね♪それじゃあ今日はお願いしちゃいます』
雄二「忘れ物はない?」
美三『大丈夫です!』
雄二の部屋から駅までは徒歩10分程度。ゆっくりと歩いても話しながら歩くとすぐに駅まで着いてしまう。
美三『先輩、わざわざ送ってくれてありがとうございました!』
雄二「これくらいお安いご用だよ」
美三『改めて今年の夏休み、先輩と一緒に沢山遊べて楽しかったです!それに先輩が何の食べ物が好きかとか、色々と先輩の事が知れて嬉しかったです♪』
雄二「………!」
美三『それと…学校始まってからも、また来ていいですか?』
雄二「う、うん。勿論だよ…遠慮しないで来てよ」
美三『えへへ…ありがとうございます♪それじゃあ先輩、おやすみなさい!』
雄二「うん、おやすみ。また明日、大学でね」
改札をくぐった後もこっちを見て手を振る美三に雄二も手を振り返す。
雄二「はぁ…ホントいつもドキッとさせられるよ。その内少しでも意識させられたらいいんだけど…」
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