第1章
1.ベーパン
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お昼休み。
教室の窓側の席。
肌寒い外気を窓ガラスが遮断して、太陽の日差しが私の体をポカポカと暖めてくれる。
机に突っ伏して気持ち良く眠る。
季節は桜舞う四月。
新学期が始まって約一週間。
中学生活最後の一年がスタートしたばかり。
進路の事で大変な一年になるのは分かってるけど、まだ焦る時期じゃない。
そう自分に言い聞かせながら、とにかく今は何も考えずに…
寝る。
「凪子!凪子ってば!」
せっかく人が良い気持ちで寝ているのに…
なんなの?
騒々しい声に嫌々目を開けるとそこには親友の姿。
家も近所で幼稚園の年少から中学三年の今に至るまでずっと同じクラス。4歳の時からだから、かれこれ10年の付き合いになる。
「そんな寝てないでちょっと聞いてよ!」
「うっさいなぁ。なんなの?」
不機嫌さ丸出しで体を起こす。
「あの人が校庭でサッカーしてんのよ!」
「あの人?あぁ、それって」
「昴君だよ昴君!浅宮昴!」
やっぱり
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