九人のストーリーテラー

沙月Q

　あの夢を見たのは、これで9回目だった。

　自分は少女となって、穏やかな春風の中、家路を急いでいる。

　名前はアヤ。

　早く帰って物語の続きを書きたいという思いに突き動かされていた。

　主人公は空想上の国の姫。

　おとぎ話の世界に筆を走らせることだけが、今のアヤの生きがいだ。

　アヤは家にたどり着くと、まっすぐ自分の部屋に駆け込み机に向かった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい