人魚の夢
- ★★★ Excellent!!!
夢の中で主人公は、瀬戸内海の海の神を祀った浜辺で車椅子を押している。
車椅子に妻を乗せて……。
海からは、妻のなを呼ぶ声が。
声の主は、下半身が鱗のついた魚、すなわち、人魚である。
夢が覚めると、待っているのは受け入れ難い現実が待っている。
原因不明の難病に苦しむ、余命幾許とない妻の介護。
助かる手がかりもなく、確実に妻は死んでいく……。
その中で主人公は、同じ夢を何度も、何度も見続ける。
この夢の意味するところは?
そして、主人公が最後に選んだ選択は……?
この作家先生らしい、妥協ない丁寧な文章と情景描写で描かれる、切ない、
愛の物語にございます。
ご一読を。